技と技名・新技
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 15:34 UTC 版)
体操の技名は基本的に演技内容を粛々と述べただけのもの(例としてムーンサルト:鉄棒またはゆかにおける後方2回宙返り1回ひねり下り)であるが、FIG(国際体操連盟)の定める国際大会で過去実施されたことのない新技を事前に申請した上で発表・成功すると、その技の通称として実施者の姓が技名として認定される。多くの技がこの名前で呼ばれ、ロサンゼルスオリンピックで森末慎二が発表した平行棒での後方棒上かかえ込み二回宙返り腕支持はモリスエと呼ばれるなどしている。同一の人名の技が同名でその種目に存在する場合はそれぞれA,B,C...やII,III,IV...と語尾につけられる(例:シュテクリB・ゲイロードII)。 新技を申請しFIGの定める国際大会で新技を成功させれば、コバチやトカチェフといった自らの姓がついた技を新技につけることができるのだが、もしも新技を失敗してしまうと、今後は誰がその同じ新技を国際試合で成功させようとも、その技に人の姓がつけられることはなくなる。ex:伸身トカチェフ ただし、2016年リオデジャネイロオリンピックでは、ブレットシュナイダーの平行棒の技と、イーゴリ・ラディビロフの跳馬の4回宙の2つの技について、オリンピックでは成功しなかったが、後に同じ選手が挑戦して成功させれば名前がつく可能性があるとなっている。 また、現在では新技に名前を付けるためにはC難度以上として認定される必要があり、B難度以下の技で新技申請を行っても名前がつくことはなくなっている。 同一の人名が別々の種目につけられることもあり、山脇恭二が発表した技はあん馬での馬端から馬端への背面とび横移動、つり輪での前方かかえこみ二回宙返り懸垂があり、それぞれヤマワキと呼ばれる。 なお、塚原光男が1972年ミュンヘンオリンピックで発表した鉄棒での月面宙返り下り、いわゆるムーンサルトはツカハラと名付けられている。ムーンサルトの命名は、恩師である竹本正男(ローマ五輪金メダリスト・元日本体育大学副学長)である。 他に、田中光が1996年アトランタオリンピックに出場し平行棒においてオリジナル技「TANAKA」(懸垂前振りひねり前方かかえ込み2回宙返り腕支持:難度E)を発表し、認定されている。 2013年に白井健三が初めて成功した「後方伸身宙返り4回ひねり」が「シライ」となった。
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