戸外制作とは? わかりやすく解説

戸外制作

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/16 05:06 UTC 版)

戸外制作(こがいせいさく)とは、絵画を戸外で描くという意味であり、日本では美術書などでフランス印象派などの絵画スタイルを説明するときに使用される表現である [1][2]フランス語では、オンプレネール (en plein air) またはプレネール (plein air) である[3] en plein air (英語:in the open air) を直訳すれば「戸外で」または「野外で」、「屋外で」という意味だが、このフランス語は他言語圏を含めた美術界では、絵画を戸外で制作するという意味に使われる。ただし、フランスではスポーツなど他の屋外活動にも使うので、曖昧さをさけるため戸外制作をpeinture sur le motif  (英語の painting on the ground に当たる)と表現することもある。


  1. ^ ウィリアム・ザイツ 著、辻邦生/井口濃 訳 『モネ』(初)美術出版社、1991年、12頁。ISBN 4-568-19011-8 
  2. ^ 「ノルマンディー印象派フェスティバル」をより楽しむために”. MMM メゾン・デ・ミュゼ・デュ・モンド. 2014年10月20日閲覧。
  3. ^ 喜多崎 親 (2005年1月18日). “印象派とは何か”. 社団法人如水会. 2014年10月20日閲覧。
  4. ^ a b Liron Sissman's Page - PLEIN AIR ARTISTS”. 2014年10月23日閲覧。
  5. ^ 「美術検定」実行委員会 2008, p. 68.
  6. ^ a b クリストフ・ハインリヒ 著、ABC Enterprises Inc. (Miki Inoue) 訳 『モネ』TASCHEN、2006年、25頁。ISBN 978-488783-012-7 
  7. ^ 視覚デザイン研究所 『西洋美術史入門』視覚デザイン研究所。ISBN 978-4-88108-190-7 
  8. ^ 島田紀夫 2004, p. 162.
  9. ^ 島田紀夫 2004, p. 193.
  10. ^ Newlyn School, Landscape Painting Artist Colony, Cornwall: History, Artists, Stanhope Forbes, Frank Bramley”. Visual-arts-cork.com. 2014年10月20日閲覧。
  11. ^ MABEF Art Supporters - Produzione di cavalletti in legno per pittori”. M.A.B.E.F. srl. 2014年10月20日閲覧。
  12. ^ a b Mary DeNeale Morgan Biography and Paintings”. 2014年10月25日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2014年10月22日閲覧。
  13. ^ a b JOHN MARSHALL GAMBLE (1863-1957) - CALIFORNIA PLEIN AIR PAINTER”. 2014年10月23日閲覧。
  14. ^ 白馬会 現代美術用語辞典ver.2.0”. 2014年10月23日閲覧。
  15. ^ 「美術検定」実行委員会 2008, pp. 202–203.
  16. ^ Artists who work 'en plein air' share their motivations: Arts”. adn.com (2010年6月6日). 2010年8月8日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2014年10月20日閲覧。
  17. ^ Plein Air Painting - Painting Outside Plein Air”. Painting.about.com (2010年8月16日). 2014年10月20日閲覧。
  18. ^ 久米美術館【桂一郎コーナー】”. 2014年3月11日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2014年10月23日閲覧。


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戸外制作

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クロード・モネ」の記事における「戸外制作」の解説

モネ代表される印象派は、こうしたアカデミズム流れの中で登場してきた。モネは、クールベ写実主義態度受け継ぎ自然に対す観察向かった。もっとも、クールベにとってや川といった自然が客観的に存在するものであったのに対しモネたち印象派の画家にとっては、自然は自己の感覚反映されたものであり、彼らはその「印象」、つまり主観的な感覚世界キャンバス再現することを追求したモネ自然の印象正確にとらえるためにとった制作手法が戸外制作であったモネこの手法を先輩ウジェーヌ・ブーダンから学んだモネは、画家として目覚めた日のことを次のように回想している。 ブーダン画架立て制作とりかかった。私は、それを見るともなく見ていたが、やがて注意を引きつけられた。そして突然、ヴェール引き裂かれたのだ。私は理解した絵画に、どれほどのことがなし得るということ理解したのだ。確固たる独立心をもって自身芸術献身するこの画家の、制作風景をたった一度見ただけで、私は画家となるべく運命づけられたのであるこうした戸外制作を可能にしたのが、1840年代イギリス発明された、ネジ式のを持つ金属製チューブ入り絵具であった1820年代までは、画家アトリエで自ら絵具調合するか、豚の膀胱作った袋で業者から購入しなければならず、保存性悪かった1820年代注射筒状の容器発明されたが、洗浄が大変であった。そのため油彩画アトリエ仕上げるのが当然であったチューブ入り絵具発明により、戸外イーゼル立て油彩画仕上げることができるようになり、バルビゾン派いち早くこれを実践していた。しかし、当時一般的な手法はなっておらず、クールベも、『画家のアトリエ』の中で、アトリエ風景画制作する様子描いている。 戸外制作は、物の描き方革命もたらした古典的な絵画は、明から暗へゆっくり移行する陰影付けて物の丸み立体感を出す肉付法とっていたが、それは、アトリエの窓から差し込む光が物に当たってできる、なだらかな陰を前提したものであった。しかし、戸外太陽の光の下では、強烈な明暗コントラスト生じ明から暗へのなだらかな移行見られず、物が平板に見えるし、陰の部分も、単なる黒や灰色ではなく周りの物から光が反射して色彩感じられる。このことに気付いたのは、マネと、モネたち印象派の画家たちであった。彼らは、物にはそれぞれ固有色があるという約束事から自らを解放し目に映る色彩自由に描くようになったモネは、戸外制作を本格的に始めたのは自分だという自負持っており、1900年次のように述べている。 私は戸外制作を始め没頭するようになった当時、戸外制作を存分に試みた画家はまだ誰もいなかった。そのマネですら、試みてはいない。マネが戸外制作を行うようになったのは、後のことで、私のほうが先だった。 もっとも、特に後期連作では、屋外でのスケッチアトリエ手を加えている。晩年の「睡蓮」大装飾画では、池で描いた大型習作を基に、アトリエ想像力による再構成行っている。

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