戦争での使用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 03:05 UTC 版)
ナパーム弾の元となった兵器が使用された戦争 1944年7月17日、フランス西部サン=ロー近くのクタンスで、アメリカ軍P-38 ライトニング により、最初に使用される。 太平洋戦争では、アメリカ海兵隊戦闘機により、ビアク島の戦いで最初に使用。 第二次世界大戦では、アメリカ陸軍は中国大陸の武漢への空襲(漢口大空襲)や日本列島への空襲(日本本土空襲)に、大日本帝国の木造家屋を研究した焼夷弾である「M69焼夷弾」を使用。 沖縄戦において、洞窟に立て篭もった日本軍兵士を炙り出す目的で、ナパーム剤を混ぜた火炎放射器を使用。 ナパーム弾が使用された戦争・紛争 朝鮮戦争では、アメリカを初めとする国連軍によって、敵の陣地攻撃のために投下された。 フィリピン軍が、反政府ゲリラとの戦闘に使用。 トルコ軍が クルド人武装勢力との戦闘やキプロス侵攻の際に使用。 第一次インドシナ戦争では、フランス軍によりベトミンへの攻撃に使用。 メキシコ軍が、ゲレーロ州ゲリラとの戦闘に使用。 ベトナム戦争では、アメリカ軍により、敵の陣地攻撃や森の中にヘリコプターの降下地点を作るのに使用された他、ドラム缶にナパーム剤を混ぜて信管に手榴弾を使った「ナパーム・バレル」を作ったり、ジャングルに潜む敵歩兵を殲滅するために投下された。当時の様子は、フィン・コン・ウトによる「戦争の恐怖」の元となった。 敵のみならずアメリカ兵も犠牲になり、報道を通じて焼き払う行為が『非人道的だ』と見なされ、のちにアメリカ軍のナパーム弾の廃止(後述)につながった。 第3次中東戦争と第4次中東戦争では、エジプトやシリア、ヨルダンを初めとするアラブ連合軍によって、イスラエル軍の陣地を攻撃するために使用された。 アンゴラ内戦では、アンゴラ軍やキューバ軍による反政府勢力と南アフリカ防衛軍(英語版)への攻撃に使用された。 シエラレオネ内戦では、 ナイジェリア軍やギニア軍といった ECOMOGの軍隊やEO社による支援で設立されたシエラレオネ空軍によって反政府勢力RUFへの攻撃に使用される。 エリトリア独立戦争や オガデン戦争では、エチオピア軍によってソマリア軍や分離独立勢力への攻撃に使用される。 アルジェリア戦争では、 フランス軍が汎用ヘリコプターやCOIN機にナパーム弾を搭載して使用。 イラン・イラク戦争や 印パ戦争では、対立している双方の国が使用した。 旧イラク軍がクルド人武装勢力への攻撃に使用。 レバノン内戦では、シリア軍が敵対する勢力への攻撃のために使用する。 第2次コンゴ戦争では、アンゴラ軍やジンバブエ軍といったコンゴ民主共和国政府を支持する勢力によって反政府勢力やそれを支援するウガンダ軍やブルンジ軍への攻撃のために使用される。 西サハラ紛争では、モロッコ軍によって分離独立勢力への攻撃のために使用される。 モザンビーク内戦では、モザンビーク軍によって反政府勢力への攻撃のために使用される。 第1次ニカラグア内戦では、 国家警備隊によって サンディニスタ民族解放戦線に対する攻撃に使用される。 コロンビア軍では、現代に至るまでの コロンビア革命軍との戦闘で使用されている。 湾岸戦争では、アメリカ軍がイラクの戦車隊に使用した。
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