戦争とハイラックス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 08:10 UTC 版)
「トヨタ・ハイラックス」の記事における「戦争とハイラックス」の解説
トップ・ギアの過酷なテストが示すように、ハイラックスは高い耐久力を誇るワールドカーであり、ランドクルーザーと共に、国際連合機関やNGOが、過酷な環境下での支援活動に使用している。 しかし耐久性・積載性・俊敏性を有しながら、民生品として販売されているため、中東・アフリカで武装勢力のテクニカルにされることが一般的になっている。また政府軍に対して欧米が提供した車両が鹵獲・流出するパターンも多い。この状態は、初代ハイラックスが登場した頃から続いているため、部品の流通ルートが確立している上、整備ノウハウも蓄積されており、トヨタ車が武装勢力に愛用される事態になっている。 このためドバイなどでは、国連機関であっても防弾車として改造した、ハイラックスやランドクルーザーの輸出に制限をかけている。 「トヨタ戦争」(チャド内戦) チャド内戦では、同国の政府軍がフランスから供与された対戦車ミサイルなどを、トヨタ自動車製のピックアップトラックに搭載し、反政府軍を支援していたリビア軍の戦車部隊を迎撃することに成功した。この戦争の報道写真で、ピックアップトラックの荷台後部に大きく書かれた『TOYOTA』のロゴが目立ったことから、世界ではこの内戦を『トヨタ戦争』と名付けた。 「ISIL」のハイラックスとランクル 2015年(平成27年)にイスラム過激派組織「ISIS」(いわゆる「イスラミック・ステート」)が公開した宣伝ビデオに登場する自動車が、比較的年式の新しいトヨタ自動車の「ハイラックス」と「ランドクルーザー」であったことから、アメリカ合衆国連邦政府テロ対策局は米国トヨタに対し、自動車の入手経路等の説明を求めた。しかし実際にはアメリカ国務省から自由シリア軍へ救援物資として贈られたハイラックス・ランドクルーザーが、自由シリア軍の活動中にISILの武装組織に襲撃・略奪されて、ISILの手に渡っていたことが後に判明している。またトルコ・ヨルダン・イラクなど、周辺国からの調達ルートも存在する。同様のことは以前からあり、アフガニスタン紛争でもカナダ政府が、中東支援のために提供したハイラックスが強奪されて、タリバン・ゲリラに渡っていたことがある。
※この「戦争とハイラックス」の解説は、「トヨタ・ハイラックス」の解説の一部です。
「戦争とハイラックス」を含む「トヨタ・ハイラックス」の記事については、「トヨタ・ハイラックス」の概要を参照ください。
- 戦争とハイラックスのページへのリンク