心理学における夢の理解とは? わかりやすく解説

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心理学における夢の理解

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 12:47 UTC 版)

「夢」記事における「心理学における夢の理解」の解説

深層心理学においては無意識の働き意識的に把握するための夢分析という研究分野がある。 夢分析古典としてはジークムント・フロイト研究、あるいはカール・ユング研究広く知られている。そこでは夢の中事物は、何かを象徴するものとして位置づけられている。これらは神経症治療という臨床的立場から発展しており、夢分析心理的側面からの神経症治療目的とした精神分析のための手法の一つである。 フロイトは『夢判断』で、人が体験する夢を manifest dream顕在夢)と呼び、それは無意識的抑圧され幼児期由来願望と、この願望と結びついた昼間の体験残滓からなる夢のlatent thought潜在思考)が、検閲を受けつつdream work(夢の仕事)によって加工され歪曲され現れたものだ、とした。 ただし、フロイトによる夢分析に限ると、性的な事象紐付けられた説明あまりに多くそのまま現代人日本人適用するのは無理がある、とする説も多い(例えば、銃が男性器を、果実女性器を、動物性欲性行為象徴するなどとされたりした。これには、当時禁欲的な世相反映されているとする説や、フロイト自身抑圧され性的願望抱いていたために偏った解釈をしているとみる説が多い)。 フロイト学派エーリヒ・フロムは、象徴というのは人類がかつて使っていた言語だが現代人はそれを忘れてしまっているのであって、夢というのはその象徴という言語語られる無意識の経験であるとし、象徴解釈によりその真の意味を理解することが可能だとする。 カール・ユングは、夢は、意識的な洞察よりもすぐれた智慧をあらわす能力があるとし、夢は基本的に宗教的な現象だとした。ユングによると、人間無意識のさらに深い領域には全人類に共有されている集合的無意識があり、古代から継承されアーキタイプ元型)が宗教神話・夢といった象徴の形で現れるとされるユング研究家河合俊雄は夢の「ストーリー性」を重視しストーリー変化は心の変化であり、夢分析重要視されるとしている。例えば同じテーマの夢を繰り返し見る「反復夢」では、ストーリー月日経過とともに変化していくが、「怖い夢」でも何度も反復してみるうちに、恐怖対象自分に対して実害がないことが分かり、それを楽しむことができるようにすらなる。こうした変化心理的な症状変わってくることがあり、繰り返し見る夢がどう変わっていくか、心理療法における「夢分析」ではこの部分大きな意味を持つとしている。もう一つポイントは「象徴性」で、例え白蛇は普通のよりも象徴性高く特別な夢だが、スピリチュアルな意味や、癒やしの意味がある可能性がある。また、夢に逆説的な意味があり、例え自分が死ぬ夢では、実際に死ぬことはなく、むしろ自分大きく変わる、よい意味の可能性がある。悪夢一般によい夢であり、発達障害患者では、楽しい夢しか見ない人は比較的多い。しかし、治療が進むにつれ、怖い夢や宿題をし忘れる夢などを見始めしっかりした意識形成されてくる。すなわちネガティブ夢を見るということは課題持ち解消しようとしていることを意味するさらには正夢についても言及し宝くじが当たるなどの大成功する夢を見たら、好機捉えて行動するのもよいとしている。ただし夢に多少誤差があり、宝くじであったりするという。夢は多義的であり、一義的解釈をすべきでないとも発言している。 現在では夢分析改良され広く現代人実情考慮した分析が多い。自分自分夢分析をするためのガイドブック事典など出版されており、何がしらの自己分析自己発見役に立つことも多いようである。

※この「心理学における夢の理解」の解説は、「夢」の解説の一部です。
「心理学における夢の理解」を含む「夢」の記事については、「夢」の概要を参照ください。

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