心理的側面
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 07:44 UTC 版)
古来より様々な概念に使用されてきた両性具有は、20世紀後半になってから心理的側面で使用され始めた。精神科医のカール・グスタフ・ユング(Carl Gustav Jung、1875-1961年)は、人間の普遍的無意識内に元型(archetype)が存在すると仮定し、男性が持つ女性の永遠なイメージの元型をアニマ、女性が持つ男性の永遠なイメージの元型をアニムスと呼んだ。 ユング派のジューン・シンガーは『男女両性具有』(1981)の中で、男女両性具有は人間の心理に固有な元型であって、それはあたかも卵の黄味と白味が殻の中に一緒に閉じこめられている状態であると述べている。つまり男女両性具有とは男性の中に「女らしさ」が、女性の中に「男らしさ」が存在している状態であり、いわゆるユングのアニマとアニムスの両方がある状態であるというのである。この男女両性具有の概念は1970年代に、固定的な男女観に対するウーマン・リブ運動などによって注目され始め、実証的な性役割研究において扱われることになった。
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