心理的介入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 10:09 UTC 版)
感謝が人々の幸福の強い決定因子になっていると思われることから、感謝を増大させる心理的介入 (Psychological intervention) が幾つか開発された。例えばワトキンスらは、自分が感謝している存命人物について考える、感謝している人について書く、感謝している人に届ける手紙を書くなど、様々な感謝の行動を参加者に試した。対照条件の参加者は人生の余暇を説明するよう求められた。感謝の行動に携わった参加者では、その行動直後にポジティブな感情の経験が増加することが示された。この効果は感謝している人について考えるよう依頼された参加者で最も強くなった。当初より感謝する性格だった参加者ではこれらの感謝行動から最も大きな効能が示された。 感謝に関する2005年の研究では、参加者達が自身の生活の質全般を改善することを意図した6つの治療的介入条件の1つに無作為に割り振られた。これらの条件から、最大の短期的効果は参加者が人生において誰かに感謝の手紙を書いて届ける「感謝の訪問」から生じたことが分かった。この条件では幸福スコアが10%上昇して抑鬱スコアが大幅に低下し、その結果が最大で訪問後1か月まで継続した。6条件のうち最も長く継続する効果は、参加者が毎日感謝している3つの事を書き留めるよう求められた「感謝日記 (Gratitude journal) 」を書く行為に関連していた。これら参加者の幸福スコアもまた増加し、実験後も定期的に調査されるたびに増加し続けた。実際のところ、最大の効能は通常で治療開始後6か月辺りで見られた。この行為は非常に成功したため、参加者には日記をあと1週間だけ継続するように求められたが、多くの参加者は研究終了後もその日記をつけ続けていた。同様の結果はエモンズらによる2003年の研究等でも見られた。 2013年よりカリフォルニア大学バークレー校の研究機関 (Greater Good Science Center) は、感謝についての科学および実践を増進させる可能性の最も高い論文レベルの研究事業に賞を与えている。
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