心理学における再現率
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 14:53 UTC 版)
「再現性の危機」の記事における「心理学における再現率」の解説
Open Science CollaborationがBrian Nosek(英語版)と共同して行った2015年8月の報告では三つの高ランクの心理学の学術雑誌から100個の心理科学における研究の再現性を推定した。元々の研究では97%の研究が統計的に有意な効果(p 値が0.05以下)を持っていたのに比べ、再現実験全体の36%が統計的に有意である結果が得られた。再現実験における効果量(英語版)の平均は元々の研究で報告された効果量のおよそ半分程度の大きさだった。 同じペーパーでは学術雑誌(Journal of Personality and Social Psychology(英語版) [JPSP], Journal of Experimental Psychology: Learning, Memory, and Cognition(英語版) [JEP:LMC], Psychological Science(英語版) [PSCI])と分野(社会心理学と認知心理学)の再現率と効果量も調査された。研究の再現率はJPSPは23%、JEP:LMCは38%、PSCIは38%であった。認知心理学における研究の再現率は50%で社会心理学における研究の再現率(25%)より高かった。 1900年から2012年の間の心理学の学術雑誌の上位100誌における出版履歴による分析が示唆するところによると、全ての心理学の出版論文の内およそ1.6%については再現実験が行われていた。もし「再現」("replication")という用語が論文中に登場したならば、その論文は再現実験が行われていると考慮した。これらの研究の一つのサブセット(500個の研究)を更なる調査の為にランダムに選ぶと、その再現率は低く、1.07%(500個の研究の内342個は再現実験が行われていた)となった。500の研究のサブセットにおいて分析が示すところによれば、出版された再現実験の78.9%が成功していた。少なくとも一人以上の原著者が再現実験に参加した時、再現実験の成功率は有意に高くなった(64.6%に比べて91.7%である)。
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