帝国の分割とは? わかりやすく解説

帝国の分割

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 07:21 UTC 版)

ルートヴィヒ1世 (フランク王)」の記事における「帝国の分割」の解説

817年にはアーヘン王宮一部崩壊し破損したことを、死の訪れをあらわす神の意志判断し、「帝国計画令(Ordinatio imperii)」を発布した。「帝国計画令」では、帝国領土フランク族伝統にしたがって3人の息子分け与えることとし長男ロタールにはイタリアを含む広範な領土の、次男ピピンにはアクィタニアの、三男ルートヴィヒにはバイエルン統治委ねることとして、ロタール共同皇帝とし、下の2人副帝として皇帝統制に従うことを定めたフランク王国慣習である分割相続慣習帝国統一保持両方実現しようという妥協的な計画であったまた、この「帝国計画令」では、813年にすでにイタリア王位与えられていた兄ピピン遺児ベルンハルト存在無視されており、これに不満を抱いたベルンハルト反乱起こし818年処刑されイタリアロタールのものとなったこうした経緯の中、819年ルートヴィヒヴェルフ家ユーディト再婚823年には四男となる末子シャルルフランス語ドイツ名ではカール)が誕生したルートヴィヒ1世ユーディト懇願により、末子シャルルにも王国分け与えようとし、829年ヴォルムス帝国会議ロタール合意のもと、ロタール領地からアレマニアアルザスラエティアおよびブルグント一部シャルル与え決定をした。シャルルにはベルナール・ド・セプティマニー後見役につき、母ユーディトおよびその兄弟とともに領地統治を行うこととなった。しかし、この領土分割は他の息子ロタールピピンルートヴィヒ反発を買うこととなり、三兄弟はかつて政治顧問つとめたコルビーヴァラの下に集まった830年4月14日ブルターニュ遠征への不満をきっかけロタール中心としてクーデター決行されロタールは父ルートヴィヒ廃位帝位につき、ユーディトとその兄弟修道院送られた。しかし、今度ロタール独裁恐れた次男ピピン三男ルートヴィヒ同盟結んでルートヴィヒ復権させ、831年2月アーヘン帝国議会新たな帝国分割案決められた。833年6月、再び皇帝ルートヴィヒ三兄弟対立し皇帝ロタールに捕えられた。しかし同年12月皇帝支持者らは皇帝解放要求しロタールイタリア押しこめられ、翌834年2月には皇帝ルートヴィヒ解放され復権果たした837年ロタール合意のもと、末子シャルルにはフリースラントからマース川までの地域およびブルゴーニュ与えられることとなった。さらに翌838年次男ピピン死去し839年ヴォルムスにおいて、ピピン息子らの相続権取り消され帝国大半ロタールシャルルとで分割され三男ルートヴィヒバイエルンのみ相続することが決定された。これに対し三男ルートヴィヒアレマニアを含むライン川右岸東側)を要求し、父皇帝に再び反乱起こした皇帝はこの反乱鎮圧するため出兵したものの、840年6月20日フランクフルト近く崩御した。彼の崩御後兄弟間の抗争武力衝突にまで発展し王国の分裂原因をつくることとなったヴェルダン条約の項を参照)。 分裂後成立した三男ルートヴィヒの国は東フランク王国呼ばれ、後に神聖ローマ帝国一部となったまた、四男シャルルの国は西フランク王国となり、後のフランス王国につながる。長男ロタール継承した中部フランク王国は、ロタール死後にさらに分割されることとなる。

※この「帝国の分割」の解説は、「ルートヴィヒ1世 (フランク王)」の解説の一部です。
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