将来に向けての構想
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/28 16:58 UTC 版)
快速「エアポート」の増発 「エアポート (列車)」も参照 2016年(平成28年)現在、JR北海道は千歳線を走行する快速「エアポート」の本数を現行の1時間4本(15分間隔)から1時間5本(12分間隔)に増発する方針を示しており、それに関連して札幌貨物ターミナル駅から本線への連絡線の立体交差化を検討している。これは、札幌貨物ターミナル駅からの貨物列車が頻繁に本線へ進入するうえ、千歳方面への貨物列車が短区間ながら札幌方面の線路を走行するため、現行の配線では列車の増発が困難であることが理由として挙げられる。また、現在6両編成で運転されている「エアポート」の車両を増結する方法も検討されたが、停車駅のホーム改良が大規模になるため、見送られることになった。 2019年9月11日にJR北海道は、車両の増備や信号設備の改良を行ったうえで、2020年春のダイヤ改正にて1時間5本に増発を行う予定と発表し、2020年3月14日のダイヤ改正より増発が実施された。 ES CON FIELD HOKKAIDO(北広島市)開設に伴う輸送対応 プロ野球・北海道日本ハムファイターズが札幌ドームに代わる新たな本拠地球場の建設を検討していることに関連し、北広島市がまとめた「ボールパーク構想」として、北広島駅から約1.5 km離れた位置に計画されている「きたひろしま総合運動公園」用地にファイターズの新球場を誘致すること、新球場への交通アクセスの利便性向上として千歳線に新駅を設置することをJR北海道に求めること、などの案が検討されている。 その後の2019年2月に、ボールパークのアクセスは北広島駅の改修で対応することとしつつ、新駅の建設についても協議は続けることが発表された。 さらに2019年12月にJR北海道は、新駅建設案ならびにその建設費用の見通し(請願駅となるため北広島市の負担となる。約80 - 90億円としており、北広島市が想定していた約70億円より高くなっている)・完成時期の見通し(工期7年、ボールパーク開業には間に合わず)を発表した。 その後、JR北海道は2020年3月末までに新駅建設予定地で地盤の強度や整備に必要な土地が確保できるかなどの調査を実施した上で、「技術的に整備は可能」との結果を示した。この結果を踏まえて、北広島市は同年7月6日にJR北海道に新駅設置に関する請願書を提出し、2028年春の開業を目指すこととなった。 2020年12月15日は、北広島市が、2021年度にも新駅開業に向けた詳細調査に着手し、翌年度中にもJR北海道と、新駅開業までの工期や費用を明記した覚書を締結する考えを示した。 新千歳空港支線の苫小牧方面・石勝線方面直通化 新千歳空港駅と周辺の大規模改修を行い、駅を千歳線の本線に組み込む形で苫小牧側に貫通させ複線化して石勝線を接続することが検討されている。実現すれば利便性が向上しJR北海道の増収効果も期待されており、早ければ2022年の完成を目指している。 その後、新千歳空港を含む北海道内の民営化される空港を運営する企業連合(北海道空港など)とJR北海道は、新千歳空港支線・新千歳空港駅を輸送力増強のため移設するとともに、苫小牧方面・石勝線方面への直通化に対応できる構造にする方針を示し、2030年までの完成を目指すとした。2020年7月には、北海道知事鈴木直道が、北海道内7空港の一括民営化に伴って運営事業者が国に支払う運営権対価約2920億円について、新千歳空港駅と道東・道南方面のスルー化への活用を国に要請した。 新千歳空港駅 - 旭川駅間直行列車構想 北海道エアポートが旭川空港を新千歳空港に次いで準拠点空港と位置付ける計画をしていることを踏まえて、両空港を行き来する際の利便性を高めることを目的に、室蘭本線の追分駅を経由した上で、新千歳空港駅と旭川駅を乗り換えなしで結ぶ新ルートが検討されている。新ルートは、旭川空港の施設改修などが本格化する2025年以降に合わせて開設が予定されており、JR北海道と北海道エアポートが実現の可否を含めた検討に着手している。旭川駅から新千歳空港駅へ向かう場合、2016年3月のダイヤ改正で札幌駅経由で旭川駅と新千歳空港駅を結ぶ直行列車が廃止されて以降、札幌駅での乗り換えが必要となっており、札幌駅より快速「エアポート」を活用した場合は、乗り換え時間を含めて最短で約2時間20分を要している。新ルートは、札幌駅経由の直行列車とは異なり気動車での運行となるが、新ルートを特急列車として運行させた場合は1時間30分程度への短縮が見込まれている。
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