審判批判問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 09:42 UTC 版)
2015年1月場所で前述の優勝回数の新記録を打ち立てた白鵬だったが、翌日の記者会見に深酒で1時間遅刻し、ようやく始まった会見でインタビュアーから「全勝で優勝した気分は?」と聞かれると、「一つ疑惑の相撲があるんですよ」と自ら話しだして、13日目の稀勢の里戦で取り直しとなった取り組みについて「あれは、勝ってる相撲。帰ってビデオを見たけど、子どもが見ても分かるような相撲だもんね。なぜ取り直しにしたか。本当に悲しい思いでした。もう少し緊張感を持ってやってもらいたいね」と審判を批判する発言を行った。さらに「肌の色は関係ない。土俵に上がってまげを結ってるなら日本の魂。みんな同じ人間です」と人種差別の存在をほのめかす発言もした。 この発言に当時の北の湖理事長は「横綱なんだから手本となる姿勢を見せてほしい」「(取り直しになった取り組みに於いては、うしろ向きな発言を批判し)横綱として、もう一丁来い! と言う堂々とした気持ちを持って欲しい」と発言し、横綱審議委員会の内山斉委員長(読売新聞グループ本社顧問)は「審判はスポーツの世界では厳正なもの。未熟さをさらけ出している。反省すべきは横綱本人。自覚を十分促したい」と苦言を呈し、この勝負のビデオ担当を務めた錣山審判委員(元関脇・寺尾)によると、相手の体が落ちる前に横綱の右足の甲が土俵についており、別の担当親方から横綱の負けとの意見も出たという。勝負規定第6条に「足の裏以外の体の一部が早く砂についた者を負けとする」とある。錣山委員は「相撲の流れとルールを総合すれば、取り直しが極めて妥当だ」と反論し、相撲協会の様々な人物から苦言を受け、祝福ムードから品格問題に発展してしまった。 この騒動後に生放送番組の「SmaSTATION!!」に出演して一連の騒動を謝罪したが、相撲協会に直接謝罪をすることはなかった。また協会としてもこれ以上問題にはしない方針となった。 しかしこの騒動の記憶もまだ新しい同年5月場所の12日目に、大関・豪栄道の首投げに際どく敗れた際、物言いがつかなかったことに不満を示すかのように取組後に礼をせず、その後も土俵下でぼうぜんと立ち尽くした。この日のNHK相撲中継のテレビ解説をつとめた北の富士は「物言いが付いたとしても確認程度。子供でも分かるんじゃないですか」と、1月の白鵬の言葉をそのまま用いて批判した。 2017年11月場所の11日目の嘉風との取組では、立ち会い直後に右手を少し挙げて「待った」のようなしぐさを見せ身体の力を抜いていたところを一気に寄り切られ敗戦、土俵下から自ら物言いを要求するかのように右手を挙げ続けるも、取組当事者である力士にはその権利がないため行司・審判らには無視され、嘉風が勝ち名乗りを受けようとする際も土俵に上がって礼をしようとしなかった。この日のNHK相撲中継の実況をつとめた藤井康生アナウンサーは「こんなシーンは見たことがありません」「これはいけません。こんなことはあってはならないことです」「この姿はもう…大横綱いけません」と厳しく批判した。
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