家政教育
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/08/17 21:33 UTC 版)
「富洲原町立実科高等女学校」の記事における「家政教育」の解説
富洲原高等女学校は婦人道徳に育成に力を注いだが、高等女学校卒業生の上級学校への進学や就職者の増加によって、家政教育に色彩弱めて教養を与える普通教育の學校へと性格が変化した。教養重視の普通学校化に対して市町村に規程がなくて三重郡富洲原町は家政教育を学校設立に企画としていた事から高等女学校令が改正された。創立当時の大正末期の学則によると生徒の定員は100名として、入学資格は年齢14歳以上で「修業年限2カ年の高等小学校卒業程度」とした。 修業年限は2ヵ年で、入学者の選抜は志願者が募集人員に超過した場合に、国語・算術の学科試験と小学校在学中の学業・操行を参考として入学者を決定する事とした。授業料は富洲原町内居住者は一か月1円50銭、富洲原町外と単身寄留者は2円と定めた。生徒の服装はえび茶1色の袴に太い白線2本を袖に入れたもので、着物は質素なものを着用して、髪型は自由であった。入学志願者は定員に近い47名であったが、全員が入学を見とめられて、1926年(大正15年)4月5日に入学式を挙行した。校長は富洲原尋常高等小学校長藤田平太が兼務して、専任教諭は2名(女)で、富洲原小学校訓導の兼務の助教諭2名(男)、嘱託教員1名(女)の構成であった。翌年になると1ヵ学年の増加によって専任教諭は4名(女)、兼務助教諭2名(男)、嘱託教員4名(女性教員3名、男性教員1名)となった。 実科高等女学校学科目毎週教授時数 修身 第1学年 2時間 第2学年 1時間 国語 第1学年 5時間 第2学年 5時間 英語 第1学年 0時間 第2学年 0時間 歴史・地理 第1学年 0時間 第2学年 0時間 数学 第1学年 2時間 第2学年 2時間 理科 第1学年 0時間 第2学年 0時間 図画 第1学年 0時間 第2学年 0時間 唱歌 第1学年 1時間 第2学年 1時間 体操 第1学年 3時間 第2学年 3時間 家事 第1学年 4時間 第2学年 5時間 裁縫 第1学年 13時間 第2学年 13時間 合計30時間 実科高等女学校では配当時間の56.7%~60%が裁縫・家事の時間に充てられて、一般教養科目(修身・国語・数学)は30%~26.7%にとどまった。実科高等女学校の教育は家事技芸科目に重点が置かれて、国語・数学等の科目は小學校の復習程度にとどまった。修身は「本邦古来ノ女子ノ美風ニ鑑ミテ適切ナル教授ヲ為シ婦徳ヲ養成センコトヲ力メ珠ニ家ニツキテハ意ヲ用ヒテ教授センコトヲ要ス」とされて、祖先尊崇や女子の本文に多くの時間がさかれて、このことによって教育内容全体が家族制度に立脚した家政教育という性格を示す事になった。昭和9年度の校訓は「勤労愛好の精神と婦徳の育成」の2つを掲げている。
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