家政学の発展とは? わかりやすく解説

家政学の発展

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 08:21 UTC 版)

家政学」の記事における「家政学の発展」の解説

家政学研究と教育学会活動通して活発におこなわれるようになった。しかし、家政学とは何かという「家政学そのものを問う議論はまだ続けられた。1968年昭和43年)には家政学会の中の分科会として「家政学原論研究委員会」が発足した高度経済成長によりこれまでの価値観変化したことにより、生活様式家族関係に微妙な影響与えたそのような変化家政学どのようにアプローチすることができるかということ問われたのが「家政学原論」である。家政学では、食物被服等の自然科学的分野研究が多いが、個々専門性強くでてくると家政学という共通認識薄れがちになる。家政学とは何かを問いかける家政学原論」の重要性がやっと家政学者の中から認識され、特に家庭経営学家庭経済学研究者の手によって研究されるようになってきた。 1970年昭和45年)から1972年昭和47年)にかけて、家政学原論委員会家政学の定義の原案作成した日本家政学会家政学の定義をこのような要請によって発表することによって、初め家政学の定義が公式の機関によって認知された。1970年昭和45年)、家政学意義を「家政学は、家庭生活中心として、これと緊密な関係にある社会事象延長し、さらに人と環境との相互作用について、人的物的両面から研究して家庭生活の向上とともに人間開発をはかり、人類の幸福増進に貢献する実証的実践科学である」とまとめている。この定義はアメリカ家政学会影響強く受けたものといわれている。この当時日本には家政学概念規定確立がなかった。 1980年代家政学発展してきているにもかかわらず、その目的対象方法などについて家政学者の中で一致がみられず、また、様々な分野における個別的な研究分化的に進むなか、「家政学とは何か」という家政学の再定義問題浮上してきた。そこで1984年昭和59年)「家政学将来構想1984」において、家政学の定義を「家政学は、家庭生活中心とした人間生活を中心とした人間生活における人間環境相互作用について、人的物的両面から、自然・社会人文の諸科学基盤として研究し、生活の向上とともに人類福祉貢献する実践的総合科学である。」とした。この定義は1970年昭和45年)の定義を基盤としているが、家政学を「実践的総合科学」とした点が新し側面である。 この中には,「将来への展望」として,20世紀終わりまでの「将来への具体提言」が掲げられた。大きくまとめると 学問としての「家政学」の本質に関する問題。すなわち家政学目的対象研究方法からそれに伴う独自性確立まで。 「家政学研究の現状やそのあり方に関する問題。すなわち研究・教育体制から学会組織学会誌家庭科教育との関連まで。 「家政学」の社会・人類へ貢献に関する問題家政学研究成果社会対す直接的還元から,「生活」研究国際的視野立った今後家政学方向まで。 この「家政学将来構想1984」は、序文に「学会会員長年悲願であった法人化達成学術会議への参加・国協力組織化などの目標を一応達した区切り段階里程標」として、家政学世に問うものとしてまとめられたものであるこのような一つ学問対する「将来構想」というものが学会中心に作成されることは、他の分野学問ではきわめて稀なことで、家政学の持つ歴史それだけ浅く確立されていない学問であることがわかる。また、家政学」の学問的な将来構想というより、家政学取り巻状況再構築という感が否めない。これは家政学学問的な未熟さ加えて家政学者含めて家政学対す認識低さ原因となっているといわれている。

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「家政学の発展」を含む「家政学」の記事については、「家政学」の概要を参照ください。

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