宮本家の人々
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宮本 すばる(みやもと すばる) 本作品のヒロイン。孤独や不幸に苛まれながらも、世界へ飛び出して成功をつかむ天才的バレリーナ。誕生日は5月1日。年齢は『昴』第1部では小学校3年生-15歳、『昴』第2部では16歳、『MOON』では17-18歳。 初登場時は少し大人びた風情の、どこにでもいるごく普通の小学生といった感じだったが、中学3年時には大人でさえ思わずハッとするような美少女に成長する。しかし、弟・和馬の死をきっかけにトラウマを抱えることになり、気まぐれで我がまま、気に入らないことがあるとすぐ拗ねる、癇癪持ちで苛立ちをストレートに他人にぶつける等、情緒不安定な人格が形成されてしまった。強情なまでの負けず嫌いで、感情の起伏が激しくすぐ泣く癖がある。「私の事は誰も解からない」という精神的な孤独に身を置く一方で、周囲から必要とされなくなることを潜在的に恐れている。周りと衝突することも多いが、機嫌が良い時には年相応の可愛らしさをみせるため、周囲の人間も憎みきれずに思わず手を貸してしまう。未成年でありながら飲酒・喫煙は当たり前、オートバイの無免許運転、無計画な衝動買いなど、日常生活は破天荒そのもの。 ダンスに関しては、日比野から徹底的に仕込まれた基礎技術と、物理法則を無視するかのような身体能力を兼ね備える。さらに、バレエ以外のダンスであっても、ほんの少しコツを知れば完璧に振り付けをトレースし、更にそれを昇華させてしまうような鋭敏な感覚を持つ。精神的に追い込まれるほど極限の集中力を発揮し、「表現者として究極といわれる領域(ゾーン)」に自ら入り込める稀有な才能の持ち主。その結果、観客を麻薬を投与されたような感覚に巻き込むほどの特異現象を引き起こす。この類稀なカリスマに関わった人々は、必死に抗いながらも多かれ少なかれ彼女の影響を受けて、自らの運命を変転させてゆくことになる。本人はプロダンサーとしての自覚を忘れて、自己陶酔のままに見境なく暴走してしまうことを悔いていたが、ヴァルナで「月の引力のように、力を内側へ溜め込む」という新たなテーマを見つけてから表現法が一皮剥けた。 渡米後は家族と断絶し、頑なに故郷(日本)を忘れようとしていたが、プロとしての経験や仲間の影響もあって最後には精神的成長を見せ、実の母親とも和解を果たす。また、ニコ・アスマーという公私に渡るベストパートナーに巡り合い、永年の孤独からも開放された。 宮本 和馬(みやもと かずま) すばるの双子の弟。すばるの唯一心許せる存在であったが、小学1年生の時に体調の異変から入院し、脳腫瘍が発見される。徐々に記憶障害を引き起こし、身動きどころか言葉も発せられなくなってしまい、2年の闘病生活の末亡くなる。死に際に一瞬だけ意識を取り戻し、「すばるちゃん、ごめんね」と最後の言葉を残すが、図らずもそれがすばるに後まで残るトラウマを植え付けることになった。 すばるの両親 父の仕事関係で横須賀近辺の社宅住まいをしている。ごく普通の中流家庭であったが、和馬の脳腫瘍発病を契機に家庭内のバランスが崩壊する。特に母親は和馬を心配する余り、娘を気にかける余裕を無くし、バレエを習いたいというすばるに辛く当たってしまう。和馬の死後もそのことを気に病み、海外で活躍するすばるを密かに応援していた。 すばるが18歳の時に離婚。母子のぎくしゃくした関係は続いていたが、母親が交通事故で瀕死の重症を負ったことで、ようやく子を思う気持ちを理解してもらうことができた。
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