完成から一般公開までとは? わかりやすく解説

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完成から一般公開まで

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 01:59 UTC 版)

アンドレイ・ルブリョフ (映画)」の記事における「完成から一般公開まで」の解説

本作第1版は、1966年7月完成した。このときの題名は『アンドレイ受難』(Страсти по Андрею)となっており、上映時間205であった。しかし、中央行政機関ゴスキノの検閲歴史的解釈批判されたほか、上映時間短縮することや暴力的描写ヌードシーン削除要求されて、ただちに一般上映許可されなかった。批判受けた具体的な内容は、「襲来 1408年」の章において、民衆タタール軍に蹂躙虐殺され一方的に打ちひしがれる描かれ方をしているが、ロシア人民はもっと勇敢にもっと英雄的タタール戦い続けた、という歴史的解釈異論があったほか、暴力的描写は「最後の審判 1408年 夏」の章で彫刻家らの目をえぐる場面など、ヌードシーンは「祭日 1408年」の章の異教徒らの儀式場面などが議論の的となった監督アンドレイ・タルコフスキーは、そういったゴスキノの要求段階的に従い、元の205分版を数次わたってカット編集重ねて186分版まで短縮して題名を『アンドレイ・ルブリョフ』と改題したソビエト連邦内での一般上映がゴスキノによって差し止められていた間、モスクワのドムキノでは映画専門家対象限定的に公開しており、高い評価受けていた。その評判ソビエト連邦留まらず多く国外映画専門家にも及んでいた。1967年フランスカンヌ国際映画祭で、十月革命から50年経ったことを機にソビエト映画史を振り返るイベント開かれ本作招待されたが、まだ未完成作品という理由からソビエト連邦当局出品断ったその後カンヌ国際映画祭総代表ロベール・ファーブル=ル=ブレは、ソビエト連邦当局交渉続けて1969年第22回カンヌ国際映画祭出品されることとなったものの、ソビエト連邦内で一般公開されないことに対す抗議として、パルム・ドール審査員特別グランプリ選考対象とならないコンペティション外での招待出品作として扱われ、さらに上映されたのは映画祭最終日午前4時1回だけであったこうした国外での評価くわえて映画監督グリゴーリ・コージンツェフ作曲家ドミートリイ・ショスタコーヴィチ映画雑誌映画芸術』の編集者らをはじめとするタルコフスキー作品国内支持者が、ソビエト連邦での一般公開向けて尽力していた。タルコフスキーと妻ラリーサ・タルコフスカヤも、一般公開支援してもらえるよう、影響力を持つ大勢人物に対して手紙送り続けており、ラリーサは映画携えてソビエト連邦閣僚会議議長アレクセイ・コスイギン面会もした。そして、1971年にゴスキノは186分版の一般公開承認して12月24日ソビエト連邦内で一般公開開始した公開期間中、フィルム277プリントされて、298万人観客動員したが、このプリント数は当時他作品比較する非常に少ない需給関係釣り合っておらず、タルコフスキー公開当時日記に「新聞は『ルブリョフ』が上映中だということについて、何も触れていない。町には、ポスター一枚ない。それなのに映画チケット入手不可能な状態だ。映画感動したさまざまな人が、感謝電話をかけてくる。」と記している。こうして一般公開認められていなかった作品がのちに公開承認され理由のひとつは、創造的な知識人達への恐れ当局にあったためと考えられるタルコフスキーは、一般公開された186分版を最終版位置づけて、186分版は「最高かつ大成功したもの」であり、編集カットをしたことによって「映画主題変質もなかった」と述べた

※この「完成から一般公開まで」の解説は、「アンドレイ・ルブリョフ (映画)」の解説の一部です。
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