ミソジニー
女性嫌悪
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 23:49 UTC 版)
「2014年アイラビスタ銃乱射事件」の記事における「女性嫌悪」の解説
ロジャーの事件、動画及び声明文は、女性に対する暴力と社会における女性嫌悪の、幅広い問題に関する議論を引き起した。ロジャーはネットの投稿とYouTubeの動画で、セックスを拒絶されたために女性を処罰し、女性とのセックスを行った男性も処罰するとしたが、そうはしなかった。ロジャーは「PUAHate」や「/r/ForeverAlone」などのオンラインフォーラムに頻繁にアクセスし、そこで彼と他の男性は女性についての女性嫌悪的発言を投稿していた。ロジャーは数人のピックアップアーティスト(ナンパ師)のYouTubeチャンネルにも登録しており、また、自分自身をオンラインで「インセル」、つまり恋人や性的関係を持つ相手を望んでいるにも関わらず見つけることができない人々による、オンラインサブカルチャーの一員であることも認めていた 。これらの理由や、ロジャーの女性との性的権利の感覚と同様に、彼は女性嫌悪主義的であると説明されてきた。 ロジャーは最初の拳銃を購入した後に、他の男性と女性に対する力を与えられたと感じたことについて、こう記している。「拳銃を手に取った後、それを自分の部屋に持ってきて、僕は新しい力を感じた。僕は武装した。今の支配者は誰だ、ビッチども? 僕は考えた、過去に自分を見下してきた全ての女の子のことを。」 ロジャーは声明文に、女子学生クラブに侵入する計画について、その場所が自身に苦痛を味わわせた世界、彼を拒否した美女を象徴していると信じたことを記した。ロジャーは以下のように記した。「僕はそこにいる全ての、甘やかされてお高く留った金髪の女を虐殺する。僕が望んでいた全ての女の子たち。彼女たちは全員僕を見下し、劣った男として軽蔑していた」ロジャーは女子寮のドアを「激しくノック」したが、内部へ侵入することができず、即興で近くの女子学生に発砲した。 「Salon.com」のスタッフライター、メアリー・エリザベス・ウィリアムズは、ロジャーを「童貞殺人犯(virgin killer)」とするメディアに異議を唱え、ジェンダーの役割を「それほど微妙なほのめかしではない……彼の攻撃の原因の一つとして、女性の性的同意の欠如がある」と述べた。雑誌『スレート(Slate)』の記事を書いているアマンダ・ヘスは、ロジャーは女性よりも多くの男性を殺しているが、彼が彼らを憎んでいた理由は、自分のものと思っていた女性を奪われたと思ったためであり、動機は誤解だったと主張した。雑誌『理由(reason)』のキャシー・ヤングは、「概念を意味のないものに拡張する、または改造不可能な疑似宗教的な教義に変える良い例のように思える」と反論し、ロジャーも他の男性について、多くの不快なメッセージを書いたと記した。『ナショナル・ポスト』のコラムニスト、バーバラ・ケイは、女性の犠牲者への注視を非難し、戦時中のスレブレニツァの虐殺やボコ・ハラムが実施した学校虐殺など、男性を標的とした虐殺の存在を指摘した。 女性嫌悪に関する意見と報道は、出来事の過度の単純化と歪みに対する批判を引き起した。これには、女性より多くの男性が殺害されたこと、ロジャーの精神保健問題が含まれた。 『タイム』で書いている心理学者のクリス・ファーガソンは、ロジャーが特定の精神障碍者であったこと(上記参照)などから、女性嫌悪主義的な文化の責任のみとは言えない主張した。一部の作家は、Twitterで「#NotAllMen」のハッシュタグを使用して、全ての男性が女性嫌悪主義的であるわけではなく、全ての男性が殺人を犯すわけではないと表明した。 一部からは、女性に対する暴力の問題の議論から脱線するとし、このハッシュタグの使用への批判があった 。5月24日にはハッシュタグ「#YesAllWomen」が作成され、全ての男性が性差別的であるとは限らないが、全ての女性が誤認と性差別を経験しているとの表明が行われた。
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