環境ホルモン(外因性内分泌攪乱化学物質)
ホルモン類似作用をもち,人及び生物の生殖と発育という基本的な生物の生存条件に影響を与える可能性が懸念されている化学物質。平成8年1月に米国で出版された「奪われし未来」という本にも取り上げられており、その序文においてゴア米国副大統領が、かなりの数のホルモン類似の人工化学物質がデリケートな生物のホルモンシステムに影響を与えている可能性を指摘し、これらの化学物質がどの程度の影響を与え、また、このようなホルモン類似の作用を持つ化学物質がどれほど存在するか、我々や子供たちがどれだけこのような物質に暴露されているか研究努力を拡大しなければならないと指摘しました。
環境庁では、平成10年5月に、現時点での外因性内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)問題についての基本的な考え方や、今後進めていくべき具体的な対応方針をまとめた「環境ホルモン戦略計画SPEED'98」を発表しました。環境庁ではこれに基づき各種の調査・研究を進め、行政的な措置のあり方について検討しています。 環境ホルモンといわれている物質には,主に以下のようなものが該当するとして研究が進められています。
○アジピン酸ジエチルヘキシル○アトラジン○アミトロール○アラクロール○アルキルフェノール○アルジカルブ○エスフェンパレレート○エンドスルファン○オクタクロロスチレン○カルバリル○クロルデン類○ケポン○ケルセン○2.4-ジクロロフェノール○2.4-ジクロロフェノキシ酢酸○ジネブ○1.2-ジブロモ-3-クロロプロパン○シペルメトリン○ジラム○スチレンの2及び3量体○ダイオキシン類(ジベンゾフラン類、コプラナーPCB含む)○多環芳香族炭化水素類○DDT類○トキサフェン○2.4.5-T○トリフェニルスズ化合物○トリブチルスズ化合物○トリフルラリン○ドリン類○ニトロトルエン類○ニトロフェン○パラチオン○ビスフェノールA○ビンクロゾリン○フェンバレレート○フタル酸エステル類○n-ブチルベンゼン○ヘキサクロロシクロヘキサン類○ヘキサクロロベンゼン○ベノミル○ペルメトリン○ベンゾフェノンペンタクロロフェノール○ポリ臭化ビフェニル○マイレックス○マラチオン○マンゼブ○マンネブ○メソミル○メチラム○メトキシクロル○メトリブジン○PCB○シマジン○フタル酸ジエチルヘキシル
内分泌攪乱物質
(外因性内分泌撹乱化学物質 から転送)
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内分泌攪乱物質(ないぶんぴつかくらんぶっしつ、英語: endocrine disruptor)とは、環境中に存在する化学物質のうち、生体にホルモン作用をおこしたり、逆にホルモン作用を阻害するもの。2003年(平成15年)5月の日本国政府見解では、「内分泌系に影響を及ぼすことにより、生体に障害や有害な影響を引き起こす外因性の化学物質」と定義されている。
- ^ 環境ホルモン学会「会則」
- ^ シーア・コルボーンら著 『奪われし未来』 長尾力訳、増補改訂版、翔泳社、2001年。ISBN 4881359851
- ^ 「逆U字効果」、vom Saal, F. S. et al. (1997). Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94: 2056. 全文(英語) など
- ^ ポリカーボネート・ニュース
- ^ 環境省(環境ホルモン問題関係)
- ^ 中西準子「環境ホルモン空騒ぎ」新潮45 1998年12月号
- ^ 西川洋三著 『環境ホルモン-人心を「撹乱」した物質』 日本評論社、2003年。ASIN 453504824X
- ^ 「ビスフェノールAについてのQ&A」 厚生労働省食品安全部基準審査課 2008年7月8日
- ^ 国立研部長がずさん報告書 厚労省から3千万円補助金(北海道新聞)
- ^ 「リスクプロファイルシート(ゼアラノレン)」農林水産省消費・安全局消費・安全政策課 2008年5月12日
- ^ Yamamoto S, Sobue T, Kobayashi M et al. "Soy, isoflavones, and breast cancer risk in Japan" J Natl Cancer Inst, 18;95(12), 2003 Jun, P906-13.
- 1 内分泌攪乱物質とは
- 2 内分泌攪乱物質の概要
- 3 環境ホルモン以外の内分泌攪乱物質
外因性内分泌撹乱化学物質と同じ種類の言葉
物質に関連する言葉 | 大気汚染物質 オゾン層破壊物質 外因性内分泌撹乱化学物質 特定物質 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用物質 |
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