地位と保全
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/05 09:20 UTC 版)
メンフクロウは生息域のほぼあらゆる場所で比較的よく見られ、世界的な絶滅の脅威に晒されているとは考えられていない。世界的な単一の種で考慮する場合、 タカ科やハヤブサ科など全ての猛禽類の中でメンフクロウはハヤブサにだけは及ばないものの2番目に広く生息分布しており 、また全世界の様々な場所にいるミサゴよりも広範囲(恐らく陸鳥の中でも同じく2番目に広い自然分布)である。しかも、メンフクロウは全ての猛禽類の中で個体数が最も多い可能性が高く、国際自然保護連合の推定では全てのメンフクロウの個体数は最大で約1000万羽にまで及ぶ可能性がある。しかしながら、20世紀半ばの有機塩素化合物(DDTなど)や20世紀後半の殺鼠剤での中毒に起因する深刻な局所的減少が、特にヨーロッパと北米で一部の個体数に影響を及ぼしている。農作業の拡大強化は多くの場合、餌漁りに最適な生息地となる荒れた草原が失われることを意味する。 メンフクロウは多産育成種で短期間の個体数減少から回復することも可能だが、一部地域では以前ほど一般的ではなくなっている。1995年から1997年の調査では、ヨーロッパ全体で平均約15万組のうち英国では3,000から5,000組の間となった。米国では中西部の7州[どれ?] でメンフクロウが絶滅危惧種としてリスト掲載されており、欧州共同体ではヨーロッパの懸念種である 。 カナダでは、メンフクロウがもはや一般的ではなく、バンクーバー南部のブリティッシュコロンビア州沿岸で見つかる可能性が最も高いが 、オンタリオ州南部の以前の生息地では非常に稀になった。オンタリオ州では特に2007年から2010年に回復戦略をしたものの、2018年に州内に生息する繁殖した野生のメンフクロウは数えられる程度のみである 。これは過去に鳥が狩りをしていた草原が無くなったことが主な原因だが、研究によると「厳冬、捕食関係、道路死亡率、殺鼠剤の使用」もまた原因だと言う。 生息地の喪失と営巣地の不足により、この種はカナダ全体で絶滅危惧種としてリスト掲載されている。 ランサローテ島では、これらの鳥がまだ幾分か大量に存在しているようだが、特定の亜種は非常に稀となっており、恐らく300羽以下ないし200羽以下の個体が残っている。 同様に、一般的に固有の亜種とされているカナリア諸島西部のメンフクロウはかなり減少しており、ここでは理不尽な破壊が今でも深刻だと見られている。テネリフェ島では比較的数が多いように見えるが、他の島ではフェルテベントゥラ島と同じくらい厳しい状況だと考えられている。指定亜種の分別によると、これはスペイン本土においては一般的で、カナリア諸島西部の個体群は絶滅危惧種として分類されてはいない。カナリアメンフクロウは特に危機に瀕しており、1975年には現地の乱獲によってフェルテベントゥラ島の個体数が数十組しか残らないほどになっていた。 一部地域では、メンフクロウの数が増えていかない要因が適切な営巣地不足という可能性もある。巣箱は、自然なげっ歯目の抑制という用途で農民と土地所有者にそれらの設置を働きかける自然保護活動家の間で人気が高い。
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