国土と気候とは? わかりやすく解説

国土と気候

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/09/25 00:25 UTC 版)

ブータンの地理」の記事における「国土と気候」の解説

内陸国ブータンは、インド中華人民共和国チベット)という二大国囲まれ地政学上非常に微妙な位置にある。インドとは東をアルナーチャル・プラデーシュ州、西をシッキム州、南を西ベンガル州及びアッサム州接しており、その国境線は605kmに達する。また北の国境線470kmは中華人民共和国チベット自治区接している。中華人民共和国との国境大部分ヒマラヤ山脈の上走っている。従って国境線確定していない部分多く国境画定交渉が現在も進められている。 ブータンヒマラヤ南面山麓位置し気候変化南北大きく違っている。気候は以下の3つ大別される標高3,000m以上の北部ヒマラヤ山脈高山・ツンドラ気候 標高1,200mから3,000mの中部モンスーン気候 標高1,200m未満南部タライ平原亜熱帯性気候 国土のうち、3,000m以上の高地全国土の44.6%、1,200mから3,000mの中高地域は40.3%、1,200m未満低地は15.1%を占めている。 南部はほとんどがマラリア蔓延するジャングルで、19世紀末ごろにネパール移民入植してくるまでは無人の地であったと言われる。それはチベット系住民が1,000m以下の低地に住む習慣がなく、その土地に無関心であったためである。しかしながら、この南部ドゥアール地区巡ってイギリスとの間で領土紛争起こしたり(1864年ドゥアール戦争)、さらに南部クーチビハール王国へと攻め入ったりしていることから考えると、無人の地であったという主張再検討要するだろう。 中部モンスーン気候地帯は、照葉樹林帯に属している。照葉樹林帯とは植物学者中尾佐助氏が提唱したもので、カシ類を主にする常緑樹密生している地帯である。ヒマラヤ山脈から、ネパールブータン雲南などの中華人民共和国南西部通って日本九州四国地方、そして本州半分に続くこの地域は、栽培植物文化において共通性認められ時に日本文化源流だと紹介されることもある。ブータン日本はこの西端東端位置しており、両者共にこの自然を基にした農耕生活パターン発達させ、漆器使用赤米栽培妻訪い婚などといった類似点多く見られる例えブータンには一部地域蕎麦加工品食べ習慣があり、蕎麦粉パンケーキ状に焼いたクルワクレ)」と呼ばれるものや、蕎麦押し出し麺にバタートウガラシ和える「プタ」という食品存在する。これに加えて醸造酒生産も盛んである。日本どぶろくによく似た製法の「シンチャン」や焼酎似た蒸留酒の「アラ」などがあり、日本の酒文化類似した部分も多い。しかしながら、「ヒマラヤ地方日本文化源流であり、日本語源流である。」という考え方理論的にも無理がある。むしろ本来は雲南地方広がっていた文化ヒマラヤ方面日本方面それぞれ伝播してきたと考えるのが妥当である。 国土標高差が非常に大きく南部標高100mから北部の7,550mにわたっている。気候多様性もはっきりとしている。ブータン南部一般に暑く湿気が多い気候であり、北部では万年雪が残る高山気候である。谷の多いブータンでは標高によって谷ごとに気候変化することも多い。降雨量はレインシャドウ効果により短い距離で変化する年間降水量はほとんどが雨期モンスーン期:6月半ばから9月)に集中している。年平均降水量は、南部国境地帯で3,000-5,000mm、南部ヒマラヤ斜面地帯では1,200-2,000mm、内陸中央峡谷地帯500-1,000mm、4,000m以上の高山地帯では500mm以下となっている。

※この「国土と気候」の解説は、「ブータンの地理」の解説の一部です。
「国土と気候」を含む「ブータンの地理」の記事については、「ブータンの地理」の概要を参照ください。

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