嗜好の方向性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 00:46 UTC 版)
「ブーツフェティシズム」の記事における「嗜好の方向性」の解説
もともとブーツには固有の特徴がある。脚(足)を包み込み脚線美を際立たせること、長時間の着用で蒸れること、着用の際に締め付けることで脚(足)にフィットすることなどである。こうした特徴は通常の靴にも見られるがブーツはそれが極端に強調されるために別ものと認知されやすい。またそうした特徴の個々に対し視覚・嗅覚・触覚などで固着が見られるために、愛好者内で細分化される傾向にある。 形状に対する嗜好 ブーツにはさまざまな形状がある。くるぶしより上、ふくらはぎ中ほどのショート、膝下のノーマルなブーツ、膝までのロング、膝上のニーハイと、まず長さで大別される。ソール(足底)の形状も異なり、ハイヒール状のもの、ソールも踵も分厚いもの(厚底系)、踵の低い乗馬靴のようなもの(乗馬系)が主である。また薄い素材により脚にフィットし足首が細く見えるもの(美脚系)、芯材が入っており脱着が容易で太さが変わらないもの(ゴム長靴系)とに大まかに分けられる。これは愛好者から見た傾向の分類であり、靴業界やファッション業界の用語・分類とは多少異なる。ロングブーツでも膝下か膝上か、内側zip(ファスナー)かzip無しを好むかの違い、長靴の長さもセミロング(サイズより丈がやや長め)か膝下(乗馬靴タイプ)までのロングが良いか、飾り(紐、ベルト、ブローチ等)の有無など個人による嗜好も種々である。 素材・光沢に対する嗜好 獣皮であるレザー・スウェードは特有の匂いがあり柔らかい。本革素材のエナメル仕上げ(パテントレザー)や合成皮革素材であるのエナメル仕上げ(パテントPU)やPVCは光沢が美しく、自由なデザインが可能であり、また、天然ゴム素材ながらもお洒落なブーツも見受けられる。エナメルのレインブーツ・婦人用/少女用長靴フェチの人々には、エナメルが施された長靴のツルツル、ピカピカの表面に欲情を抱くケースがある。西洋ではwellygirl(長靴女・ゴム長娘)というジャンルがフェティシズムのカテゴリーとして成立している。 装着方法に対する嗜好 市販のブーツは取り扱いの容易さから、ファスナーやマジックテープのものが多い。またゴム長靴系としてそのまま履けるものも人気がある。一方で紐による編み上げやバングルなどの金属締め付け具を併用したボンデージファッション風のブーツはコスプレ的な側面があり、グラビアなどでは好まれる。他に、ブーツを履く動作や、舗道とブーツのヒールがたてる「コツコツ」という音、長靴で歩く時または長靴の表面同士が擦れ合った時の「キュッキュッ」という音に惹かれるなど嗜好の範囲は広い。 色に対する嗜好 ロングブーツにおいては黒や茶が主だが、音楽隊・バトンガール等の白いブーツを好む例もある。女性用長靴やエナメルレインブーツでは、赤・白・黄・ピンクといった(白を別にすると、他は普通のロングブーツでは楽しむことのできない)鮮やかな原色が魅力だと言う長靴フェチの人々も多い。 臭いに対する嗜好 長時間のブーツ着用で包み込まれて覆われていた足が蒸れて、爪先・足裏・踵等からの皮脂・汗・垢が常在雑菌の活動によって発生した悪臭(イソ吉草酸)がブーツ内部に残留するが、その臭いを好む性癖がある。恋人や妻、姉妹が寝静まった後にこっそり臭いを嗅ぐ者もいる。最近ではヤフーオークション等で臭くなったブーツが高額で取引されている。真夏の日中や数年間毎日、素足やストッキングで履いていたもの、足にピッタリフィットするストレッチ系やロング、ニーハイ系が人気が高く数万円で落札される場合もある。
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