特徴・飲み方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/15 02:46 UTC 版)
アルコール度数が高く70%前後のものが多い。低いものでも40%程度、製品によっては89%を超えるものもある。薄く緑色を帯びており 水を加えると非水溶成分が析出して白濁する。色と白濁の度合いは製品によって大きく異なる。 他のリキュール類と異なる、特殊な香りと味を持っている。本来は砂糖が入ってないためリキュールではなく、ジンと同じくスピリッツとして分類される。 一部ではアブサンに対し主観的な見解を持つ者が白濁しないもの、着色料や砂糖が入っているものはアブサン風のリキュールの分類と説く事があるが、そもそもアブサンとは広義で18〜19世紀に大衆で大流行したニガヨモギなどを含むハーブ酒を指し、当時は様々な方法で作られ、そして自由な飲み方で親しまれた酒である。故に一部では粗悪なものも流通し、健康被害等に及び、一部の地域では販売禁止となった経緯がある。有名画家なども貧しい時期にいわゆる粗悪なアブサンを常用していたと考えられ、退廃していった。そのような酒であるため、ナチュラル成分のみで構成されていないものをアブサンではないと定義するのは偏った見解である。また、ナチュラル成分のみで構成した、いわゆるクラフトアブサン的なものは確かに酒としてはハイクオリティではあるものの、元来、高いアルコール度数とツジョン等の成分による麻薬的な魅力で世界を虜にした本来の大衆酒アブサンとでは、嗜好の方向性が違い、アブサン=「緑の妖精」「悪魔の酒」などと謳われ続けている大衆的なアブサンは後者の方である。 そのまま飲むこともあるが、度数が高いため薄めて飲んだり、特異な香気があるためカクテル材料としても用いられる。 薄めて飲む場合、角砂糖に垂らす方法がよく知られており、しばしば「アブサンスプーンをグラスの上に渡してその上に角砂糖を置く」という形で供される。よくグラスの上に渡した角砂糖をアブサンで湿らせて着火し、ミネラルウォーターを注いで消火し、アブサンスプーンでよく混ぜたものをクラシックスタイルとして提供しているが、角砂糖を着火する飲み方は1990年代から始まった流行であり、歴史的な根拠は全くない。これはチェコで作られているアブサンの大部分が歴史的な作り方に基づいてないため、風味が劣る問題を誤魔化すために作られた飲み方であり、伝統的なアブサンを飲む時は角砂糖に火を点けない。 この独特な飲み方をするために、アブサンには独特の道具が用いられることがある。アブサンの名産地の一つであったポンタルリエの名を冠したポンタルリエグラスは、球形の液溜めの上にグラス型の部分を乗せた独特な上げ底の脚付きグラスであり、液溜めの部分にだけアブサンを注いでから水を注ぐ。角砂糖を置くためにアブサンスプーンという穴が開いた、時に装飾的な形状のスプーンを使用する。水を滴下するために使用する水差しはカラフェやファウンテン、ブロウラー(ドリッパー)といったアブサン専用の独特な形状の物が存在する。 「en:Absinthiana」も参照
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