よしのがり‐れきしこうえん〔‐レキシコウヱン〕【吉野ヶ里歴史公園】
吉野ヶ里歴史公園
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 16:22 UTC 版)
吉野ヶ里遺跡とその周辺部の117ヘクタールが公園として整備されることが決定されている。公園としての整備が決定した後、公園となる部分の最終調査を経て、遺跡の状態を損なわないように盛土によって保存し、その上に復元や植樹を行い公園整備を行った。整備計画区域内にはまだ発掘を終えていない部分が多数残っており、発掘が完了したところから順次整備が進められ公園を拡張している。2001年の開園当初は47.3ヘクタールだったが、2017年7月現在は計画の9割にあたる104ヘクタールが公園として利用されている。 都市公園法に基づく国営公園部分と県営公園部分があるが、管理運営は国及び県からの共同での代行(指定管理者)という形で一般財団法人公園財団が受託し、公園内に「吉野ヶ里公園管理センター」を設置して行っている。また、整備は国土交通省の出先機関である九州地方整備局 国営海の中道海浜公園事務所 歴史公園課と県の出先機関である神埼土木事務所がそれぞれの整備計画に基づいて行っている。なお、発掘調査関係は佐賀県教育委員会の管理となっている。 吉野ヶ里歴史公園で実際に復元されているのは、環濠、竪穴住居、高床住居、物見櫓、柵、逆茂木、高床式倉庫、墳丘墓などである。多くは柱の跡や木材が遺構として残っており、これをもとに復元されている。遺構の保護やさらなる発掘のため、もともとあった場所から異なる場所に復元されたものもあるが、盛り土をして遺構を保護した上で真上の同じ場所に復元されたものもある。 また、遺跡の周辺部では、遠くからも分かる目印として物見櫓が立てられているところもある。公園の南端はJR九州の長崎本線に接しており、同線の吉野ケ里公園駅と神埼駅の間では列車内から物見櫓等の建造物を遠望することができる。 出土品の多くが、公園内にいくつかある施設内に保管され、展示が行われている。実際に手で触ることができるものもある。 公園では、「弥生人の声が聞こえる」をテーマに整備・情報発信を行っている。年に十数回イベントが企画され、古代の文化や生活の体験ができるほか、多くの店も並ぶ。テーマのように、弥生人の生活を再現したイベントや企画が多く、勾玉などの装飾品の試作、当時の衣服の試作・試着、古代米の育成、当時の食事体験などの参加型のものが多数ある。 広い公園内は、レストランや売店のある入り口ゾーンおよび、それぞれ趣旨の異なる3つのゾーンに大きく区分されている。「環濠集落ゾーン」では多数の遺構が復元されており当時の様子を垣間見ることができるほか、出土した土器や装飾品などを陳列した展示室、発掘や土器復元を見学できる施設、体験工房などが設けられている。「古代の原ゾーン」は主にレクリエーションを行うゾーンで、広場・水辺や遊具、野外炊事コーナー、赤米などの古代米を栽培する水田などが設けられている。「古代の森ゾーン」は整備中のゾーンで、官衙跡の復元、古代植物の栽培、キャンプ場などが計画されている。 12月31日および、1月の第3月曜日とその翌日が休園日であるのを除き、原則として毎日開園している。開園時間は9時から17時までで、6月から8月までは18時まで延長されている。 維持管理や整備の資金源等を目的として、入園料や駐車料金を徴収している。中学生以下の割引、65歳以上の割引、団体割引、身体障害者割引が設定されているほか、年間パスポート、無料開放日もある。また、一部の体験イベントは有料となっている。
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