各国での使用状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 00:48 UTC 版)
「ボフォース 37mm対戦車砲」の記事における「各国での使用状況」の解説
ボフォース37mm対戦車砲は優れた砲であったため、各国に輸出された。ここでは国別に紹介する。 イギリス 第二次世界大戦前に250門を発注し、「Ordnance Q.F.37mm Mk.1」として採用した。しかし開戦までに80門しか入手できなかった。 オランダ スウェーデン以外では初めての採用国であり、1935年に12門を購入した。またライセンス生産も行った。 スペイン ボフォース社から何門かの37mm対戦車砲を購入し、スペイン内戦で使用した。37mm対戦車砲は内戦に投入された軽戦車の装甲を容易に貫通することが出来た。 ソビエト連邦 1939年のポーランド侵攻の際にポーランド軍が所有していた37mm対戦車砲の一部を捕獲した。その後、1941年に独ソ戦が始まると、対戦車砲の不足を補うために前線で使用した。 ドイツ 1939年のポーランド侵攻の際に捕獲した砲を「3,7cm Pak36(p)」、1940年のデンマーク占領時に捕獲した砲を「3,7cm Pak157(d)」と名付けて使用した。3,7cm Pak36(p)は後に石油購入の代償としてルーマニアに売却された。 デンマーク 1937年に「37mm Fodfolkskanon m1937」として採用し、ライセンス生産を行った。この砲はより長い薬莢を使用し、オリジナルより威力が高かった。1940年にドイツに占領されると37mm対戦車砲は前述のようにドイツ軍によって使用された。1945年に入りドイツの敗色が濃厚になるとデンマークは来たるべき祖国解放の日に備えてスウェーデンのm/38を購入したが、実際に使用することはなかった。 トルコ フィンランド 1936年にライセンス生産権を購入し、「37mm Pansarvärnskanon m/36」として採用した。生産は同国のTampella社とVTT社が担当した。しかし、生産数がフィンランド軍の需要に追いつかなかったためにフィンランドは国内の生産と平行してスウェーデンからm/38を輸入した。冬戦争の勃発までに98門の37mm対戦車砲と32,000発の砲弾が配備された。冬戦争が開始されると37mm対戦車砲はソ連のBT戦車やT-26といった軽戦車相手に活躍したが、砲弾が当初の備蓄量だけでは全く足りないことが判明し、急遽VTT社で砲弾の生産を開始したが砲弾の不足は最後まで解消されなかった。 継続戦争ではソ連のT-34やKV-1といった中戦車、重戦車相手に全く通用しなかったが、重火器が不足していたフィンランドでは使用され続けた。戦後も予備兵器として保管され、最後の砲が退役したのは実に1986年の事であった。 ポーランド 1936年にライセンス生産権を購入し、「37mm armata przeciwpancerny wz.36」として採用した。100門以上がSMPzA社によって製造されたほか、300門近くがスウェーデンより輸入された。1939年のポーランド侵攻までにポーランド軍は1,200門の37mm対戦車砲を保有し、また車載型のwz.37は7TP戦車に搭載された。騎兵部隊にも装備され、機動的な運用にも対応した。移動は馬匹牽引が主体だったが、Polski-Fiat508/518牽引トラクターやPolski-Fiat508/518軽トラックも使用された。 侵攻してきた当時のドイツ軍戦車は装甲が薄く、この対戦車砲により多くが撃破され、装甲の強化を促すこととなった。 ルーマニア 前述のようにドイツからポーランド仕様の37mm対戦車砲556門を購入した。 ユーゴスラビア
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