台湾問題の再燃と朱成虎発言
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「中国人民解放軍」の記事における「台湾問題の再燃と朱成虎発言」の解説
2005年3月14日、台湾が公式に独立宣言をするならば中国は軍事力を用いて阻止することを定めた反分裂国家法が中国で制定された。 2005年7月14日に、朱成虎少将が香港で『ウォール・ストリート・ジャーナル』や『フィナンシャル・タイムズ』など各国の報道機関を前に、アメリカが台湾有事に介入した場合、中国は核戦争も辞さないと発言した。発言は以下の通り。 「我々(中国)は核兵器の先制攻撃により中国以外の人口を減らすと共に自民族を温存させる事に力を注ぐべきで、この核戦争後に百年余りの屈辱に満ちた歴史を清算し未来永劫この地球を支配する様に成るだろう。世界の人口は無制限に迅速に増加している。今世紀中に爆発的増加の極限に到達するはずだ。しかし地球上の資源は有限なのだから、核戦争こそ人口問題を解決するもっとも有効で速い方法である。中国政府は全力で核兵器の開発に取り組んでおり、十年以内には地球上の半数以上の人口を消滅させるだけの核兵器を装備することが可能である。中国は西安以東の全都市が焦土となる事を覚悟している。米国も数百の都市が破壊される事を覚悟しなければならない」 「もしアメリカが中国と台湾との軍事紛争に介入し、ミサイルや誘導兵器を中国領土内の標的に向けて発射すれば、中国は核兵器で反撃する。現在の軍事バランスでは中国はアメリカに対する通常兵器での戦争を戦い抜く能力はないからだ」 「アメリカが中国の本土以外で中国軍の航空機や艦艇を通常兵器で攻撃する場合でも、中国側からのアメリカ本土核攻撃は正当化される。(アメリカによる攻撃の結果)、中国側は西安以東のすべての都市の破壊を覚悟せねばならない。しかしアメリカも数百の都市の中国側による破壊を覚悟せねばならない」 — 朱成虎、2005年7月14日 2005年7月15日、この朱成虎少将発言に対してアメリカ合衆国国務省スポークスマンのショーン・マコーマックは、「極めて無責任で、中国政府の立場を代表しないことを希望する。非常に遺憾」と非難し、7月22日にはアメリカ合衆国下院は、発言撤回と朱成虎少将の罷免を求める決議を採決した。中国政府はのちに公式見解ではないと発表したが、これについて台湾高等政策研究協会執行長官楊念祖(中国語版)は、「核攻撃発言はアメリカと日本に向けられたものであり、中国政府はこの発言で、米日両国の反応を試し、両国の態度を探りたいのだろう」という見解を示した。
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台湾問題の再燃と朱成虎発言
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「米中関係」の記事における「台湾問題の再燃と朱成虎発言」の解説
台湾問題は未解決の問題で、アメリカの対台方針は四つのノー、一つのないを強調している。アメリカは陳水扁総統が台湾独立を示唆するレトリックを使ったことを非難したことがある。また、中国に批判的なブルーチームは、中国はアメリカがイラクで戦争を行っている隙に台湾で自らに有利な状況を作り出そうとしていると非難した。 2005年にもし台湾が公式に独立宣言をするならば中国は武力を用いてそれを阻止することを述べた反国家分裂法が中国で制定された。2005年7月14日、中国人民解放軍の朱成虎少将が香港で『ウォール・ストリート・ジャーナル』や『フィナンシャル・タイムズ』など各国の報道機関を前に、アメリカが台湾有事に介入した場合、中国は核戦争も辞さないと発言した。発言は以下の通り。 「我々(中国)は核兵器の先制攻撃により中国以外の人口を減らすと共に自民族を温存させる事に力を注ぐべきで、この核戦争後に百年余りの屈辱に満ちた歴史を清算し未来永劫この地球を支配する様に成るだろう。世界の人口は無制限に迅速に増加している。今世紀中に爆発的増加の極限に到達するはずだ。しかし地球上の資源は有限なのだから、核戦争こそ人口問題を解決するもっとも有効で速い方法である。中国政府は全力で核兵器の開発に取り組んでおり、十年以内には地球上の半数以上の人口を消滅させるだけの核兵器を装備することが可能である。中国は西安以東の全都市が焦土となる事を覚悟している。米国も数百の都市が破壊される事を覚悟しなければならない」 「もしアメリカが中国と台湾との軍事紛争に介入し、ミサイルや誘導兵器を中国領土内の標的に向けて発射すれば、中国は核兵器で反撃する。現在の軍事バランスでは中国はアメリカに対する通常兵器での戦争を戦い抜く能力はないからだ」 「アメリカが中国の本土以外で中国軍の航空機や艦艇を通常兵器で攻撃する場合でも、中国側からのアメリカ本土核攻撃は正当化される。(アメリカによる攻撃の結果)、中国側は西安以東のすべての都市の破壊を覚悟せねばならない。しかしアメリカも数百の都市の中国側による破壊を覚悟せねばならない」 — 朱成虎、2005年7月14日 2005年7月15日、この朱成虎少将発言に対してアメリカ合衆国国務省スポークスマンのショーン・マコーマックは、「極めて無責任で、中国政府の立場を代表しないことを希望する。非常に遺憾」と非難し、7月22日にはアメリカ合衆国下院は、発言撤回と朱成虎少将の罷免を求める決議を採決した。中国政府はのちに公式見解ではないと発表したが、これについて台湾高等政策研究協会執行長官楊念祖(中国語版)は、「核攻撃発言はアメリカと日本に向けられたものであり、中国政府はこの発言で、米日両国の反応を試し、両国の態度を探りたいのだろう」という見解を示した。 2005年には親中派とされるロバート・ゼーリックが米国務副長官に就任。2005年9月21日に「今後アメリカは中国を“責任ある利害共有者”(responsible stakeholder)とみなす」と発言して(ゼーリック発言)、融和的な姿勢で自制と大国としての責任ある行動を促した。 胡錦濤国家主席(総書記)は2006年4月に訪米した。2001年から2008年まで駐中大使を務めたクラーク・ラントは南カリフォルニア大学米中研究所で米中関係の現状について講演した。2008年に馬英九が台湾総統に選出された。馬は国民党の代表であり、大陸との再接近を訴えている。 「中台関係」も参照
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