古代怪鳥 ラルゲユウス
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「ウルトラQの登場怪獣」の記事における「古代怪鳥 ラルゲユウス」の解説
第12話「鳥を見た」に登場。 通常は文鳥に似た姿をしているが、空腹になると巨大化して暴れる。一ノ谷博士によると第三氷河期以前に生息した鳥の祖先の一種とのことだが、後述する無人船が存在した10世紀にインド西部の都市に大群が出現した記録が残っている。飛行速度はマッハ1.5。 物語序盤に深夜の動物園を襲い動物たちを捕食して、見回っていた従業員に瀕死の重傷を負わせた後、漁村に漂流した998年前の古代の貿易船の中から小鳥の姿で万城目たちに発見されたが無人船はほどなく沈没し逃走。文鳥の姿のままで孤児の三郎少年に飼われて「クロオ」と名付けられ、三郎少年の孤独な心を和ませていた。しかし、三郎少年が寝ている夜に港町の集落を襲って家畜を捕食して全滅させたことから存在が発覚、一ノ谷博士の提言をもとに危険視した警察によって捕獲されて少年から引き離され警察署に収容される。収容されていた留置場内で巨大化、警察署を破壊して飛行しながら巨大な翼の羽ばたきによる暴風(突風)で街を蹂躙したあと、三郎少年と万城目たちがいる海岸上空に現れ、三郎少年に別れを告げるかのごとく海上へ飛び去った。 名称はカモメのラテン語名(Larus canus)に由来する。放映当時の雑誌書籍では「ラルギュウス」または「ラルゲリュース」もしくは「ラルゲギュース」と呼ばれていた。 ラルゲユウスが変身した文鳥は実際の手乗り文鳥を用いているが、監督の中川は演出の意図通りに動かすのは難しかったという。撮影には複数のミニチュアが使用されており、『三大怪獣 地球最大の決戦』のラドンの操演用モデルを改造したものも存在する。このモデルは、その後リトラに改造された。アップ用の足も製作されている。合成のため、青系ではなく赤系の彩色となった。無人船は映画『海底軍艦』のマンダの操演用が流用されている。また、この回のために街のミニチュアセットもしっかりと組まれ撮影されていたのだが、監修の円谷英二はその出来に満足せず、実際に使用された突風による破壊シーンのフィルムはほとんどが東宝映画『空の大怪獣ラドン』からの流用となっている。 脚本では、巨大化の原因は太陽活動による宇宙線の変化によるものと示唆されている。 脚本を担当した山田正弘は本作品で「少年と大人」をテーマにしている。本話ではラルゲユウスを「少年の夢の象徴」と位置づけ、街を襲うラルゲユウスは「少年の夢を理解しない大人への復讐」、三郎少年とラルゲユウスとの別れは「夢との別れ=大人になる哀しさ」を現している。山田は別れを描いたラストシーンは「鳥を見た…」というサブタイトルのようにしたかったという。 『総天然色ウルトラQ』では、文鳥の色を参考に着色された。
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