原型短編
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『金田一耕助の帰還』(1996年、出版芸術社、ISBN 4-88293-117-6、文庫化2002年、光文社文庫、ISBN 4-334-73262-3)「毒の矢」「トランプ台上の首」「貸しボート十三号」「支那扇の女」の原型短編および「壺の中の女」(『壺中美人』の原型)「渦の中の女」(『白と黒』の原型)「扉の中の女」(『扉の影の女』の原型)「迷路荘の怪人」(『迷路荘の惨劇』の原型)を収録。
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原型短編
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本作の「人々を中傷する匿名の手紙」という要素の源流は『黒い翼』や『白と黒』と共に1948年の捕物帳『浄玻璃の鏡』にあるとされているが、本作の直接の源流と考えられているのは『ロック』1949年2月号 - 5月号に連載されて中断した由利麟太郎&三津木俊助登場作品『神の矢』である。一方、「背中に入れ墨を描き被害者に扮して目撃されることにより主犯のアリバイを作る」というトリックの源流は『捕物倶楽部』1954年1・2月合併号に掲載された捕物帳『当たり矢』と考えられている。双方の要素を併せた金田一耕助登場短編『毒の矢』は『オール讀物』1956年1月号に掲載され、これを1956年3月に東京文芸社の金田一耕助探偵小説選第3期第4『蝋美人』に収録される際に改稿長編化したのが本作である。 『毒の矢』の短編版と長編版にはストーリー展開に大きな差異は無い。登場人物についても、三芳新造を著述業から画家に変更し、的場星子を17歳から16歳に変更し、緑ガ丘署の橘署長が事件現場にも現れるところを部下の島田警部補に任せる形に変更し、刑事が証言内容を報告するだけだった的場家のじいやと妻が深井英蔵およびお咲という名で実際に登場するなどの変更があるのみである。推理小説としての要素については、星子が狙われた理由、死体に扼殺痕を残した理由、死体の下半身を毛布で覆った理由が明確に説明され、犯行動機を誤認させるための脅迫状、その脅迫状の作成日が合わないことを新聞記事の裏面で確認する設定、八木牧師に財産上の動機がある設定が追加されている。また、星子が入れ墨のトランプの枚数を数えていたことなどの事実を提示するタイミングが変更されている。最後の金田一による謎解きの段階では、短編版では死体入替トリックのみを説明して犯人を拘束した後に背景を簡略に説明するところを、金田一がまず最後まで詳細に説明し、それに対して犯人が証拠が無いと開き直る展開に変更している。事件解決後の後日談は長編版で全く新たに追加されたものである。
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