原型機からの改良
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/18 14:57 UTC 版)
「An-3 (航空機)」の記事における「原型機からの改良」の解説
原型機であるAn-2から改良の際にはピストンエンジンから3翅可逆ピッチ (タイプAV-17)プロペラおよびR-17ガバナーの搭載を特徴とする1375馬力TVD-20ターボプロップエンジンへの換装が実施された。さらに、機体にも以下のような変更が加えられた。まず、暖房および換気システムの他、先進的な電気設備および飛行・航法装置が設置された。さらに、中央制御された警報システム、新しい消火システム、そして農業分野への需要に対するため機外への広範囲な薬品分散装置も設置された。改良により機体の信頼性は向上したほか、貨物輸送能力が1.2倍に増加した。騒音や振動の低減などにより乗員への快適性を確かなものにした。上昇率(英語版)は1.9倍に向上し、離陸及び着陸時のパフォーマンスは向上した。改良により、ガソリンに替わり他の航空機で一般的に使用されるケロシンおよび潤滑剤の使用が可能となった。また、離陸重量およびペイロードも向上し、改良により着陸時には長さ500メートルの滑走路の使用が可能となった。これらの改良はパリョート製造合同(英語版)(ロシア連邦オムスク)およびアントノフASTC(ウクライナ・キエフ)にて実施されることになった。 早くとも1980年3月13日には初の試作機の飛行が行われたが、寄せられる関心の薄さから開発は停滞した。飛行試験は1991年までに完了されることはなかった。しかし、同機種は今日までのタービン駆動の複葉機としては数少ない事例の一つとなった。2000年8月31日、An-3Tは型式証明を受けた。同型式証明にはスキー式降着装置を搭載したものと農業用のものも付随された。
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