原作漫画とアニメ版との相違
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容姿 キャラデザイナーの大西雅也は、デザインしていて難しかったキャラクターに軀を挙げており、彼女の素顔をアニメでどう処理するか苦労したという。その為、アニメ版では顔の右側にレンズ付きの布を巻いた姿で描かれるようになった。 顔形についても、原作とアニメで違いがある。原作では比較的幼い顔形で、目はやや垂れ目のレモン型、瞳も丸く大きかった。アニメ版では細めの輪郭に、原作よりも細くて上がった目になっている。髪も原作より長くてボリュームがある。原作はギャップを、アニメは魔界の支配者候補としての貫禄を重視した印象。 暗い過去の憎しみの象徴として、左手首に手枷がついている。 来歴 テレビアニメでは、放送倫理上ストレートに「玩具奴隷」という設定が使えないために、「囚われの身」という曖昧な表現にされている。物心ついた時には全ての記憶がなく、自由のない生活を送っていたが耐えかねて脱走。この時すでに半身は爛れ、機械化されていた。その後は、周りの全てに対する憎しみを込めて戦い続け、気がつけば魔界の一角を支配するほどの権力を手にしていたが、幽閉生活の名残である手枷は何をしても外れず、暗い過去の憎しみの象徴と称する。 能力 空間を切断する能力はアニメのオリジナル。対飛影戦で使用。右手を振りぬいた軌跡に沿って空間が切り裂かれる。性質上、どんな硬度を持った物質でも空間ごと断裂されてしまうため防御できない。 桑原の次元刀と似た能力だが、切り裂いた空間に入り込んでの移動や、結界の切断ができるのかは不明。ただ、切り裂いたら少しの時間をおいて勝手に戻っていた次元刀と違い、斬られた空間の線はそのままであるため、後でその切断面に触れると自動的にまた切断されてしまう設置トラップのような効果もある。 飛影vs軀戦 原作漫画act.172「SPECIAL DAY」はアニメ化されていない。そのかわりに、魔界統一トーナメントでの飛影との試合がオリジナルに描かれ、この話が「SPECIAL DAY」と似た役割を果たしている。 戦いの中で、飛影と軀は相手の生きる意味や目的を問い、過去の癒えない傷を抉りあう。複雑な心理描写が絡み合う話であった。 試合は終始、飛影が攻撃し続けるが、軀は淡々とそれをかわし続ける、本気を出さない軀に対し飛影が、女としての女々しいこだわりが捨てられないからだと図星を言い、軀の容赦ない反撃を誘う(このシーンは原作にて飛影を移動要塞から殴り飛ばすシーンとほぼ同じ)。このとき以外は、主に軀が力をセーブし、飛影が自分自身と向き合えるように誘導しながら戦っている。 試合は飛影視点と軀視点が交互に入れ替わる形で描写される。そのため、試合に臨む両者の複雑な心情が断片的に描かれる。例えば、軀は試合中盤、これ以上飛影と長く戦っていたくないという理由から、飛影が黒龍波を撃たなければならない状況に追いこもうとする。一方、追い込まれた飛影は、本当なら軀に黒龍波など使いたくなかったとつぶやく。黒龍波vs軀の決着がつく直前、極限状態の中で2人は無意識的にお互いの名前を絶叫する。 試合は軀が黒龍波を破っての圧倒的勝利だったが、試合後には軀が長年外すことができなかった手枷が壊れる。飛影のこのときの決めゼリフは「全ての憎しみはもう昔のものだ。お前(軀)にはもう必要ないはずだ」「全てを捨てるのは早すぎるな、お前も、俺も」という意味深なものである。軀によって飛影は過去の呪縛と決別し、同時に飛影によって軀が過去の憎しみから解き放たれる。アニメ版完結に向けて、飛影と軀の関係をドラマティックに消化したオリジナルストーリーであった。
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