北陸新幹線金沢延伸開業以降
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「北越急行ほくほく線」の記事における「北陸新幹線金沢延伸開業以降」の解説
2015年(平成27年)3月14日の北陸新幹線の金沢開業後は、特急「はくたか」の廃止により、ほくほく線は地域輸送を主とする路線として再出発を切ることになった。このため、同日より国土交通省運輸局への申請最高運転速度を130 km/hに引き下げ、設備についても順次スリム化・使用停止・撤去が行われている。 その後、北越急行は2015年度決算で最高速度引き下げなどによる施設の評価損等により前年度の11億円の黒字から11億円の最終赤字に転落、その後も6億円前後の最終赤字で推移している。しかし北越急行では2012年(平成24年)時点で「はくたか」利用者の22パーセントから25パーセントが直江津駅(アクセスには北陸新幹線でも上越妙高駅からの乗り換えを要する)で乗降していることや、沿線の十日町を中心に東京や金沢と相互のビジネス需要が見込まれることから、「ほくほく線経由の需要も残るのではないか」とし、事業を当面継続することは可能であるという見通しを持った。 運行面では特急の廃止により普通列車の時分短縮が実現した。加えて「ほくほく線全体の速さと便利さをアピール」する「快速を超える列車」として、前年の2014年(平成26年)から越後湯沢 - 直江津間を1時間で結ぶ「超快速列車」の運行を計画し、2015年(平成27年)3月14日のダイヤ改正で「スノーラビット」の愛称で運転開始した。この超快速は日本国内において乗車券だけで乗れる列車としては、2016年時点で表定速度が最も高い列車であり、特に直江津駅からは、上越妙高駅乗り換えの北陸新幹線経由と所要時間で遜色がなく、かつ運賃+特急料金が1,000円以上安いことをセールスポイントとし、北陸新幹線との対抗馬、線内における「はくたか」の後継としての側面も名実ともに強く意識されている。一方で、超快速列車の越後湯沢発1本と折り返しの普通列車越後湯沢行きを、同日信越本線を転換して開業したえちごトキめき鉄道妙高はねうまライン新井駅まで直通させることで、沿線から高田駅・上越妙高駅へのアクセスを高めているなど、北陸新幹線と協力する一面もある。 また、新たな収入源として、2016年(平成28年)には普通列車の六日町駅 - うらがわら駅間にて宅配便の荷物を輸送する、いわゆる「貨客混載」を行うことで佐川急便と合意し、試運転(トライアル)ののち、2017年4月18日より夜間の普通列車1往復で、本格的な運用が開始されている。これは、先述のように並行道路である国道253号の道路状況が峠越えの連続や冬季の積雪で依然劣悪であり、場合によっては高速道を用いて長岡経由で輸送せざるを得ないなど、営業所間の輸送に支障が生じる場合があるためで、普通列車として使用しているHK100形車両に佐川急便のカーゴ台車を固定可能とする改造を行い、運用している。 2018年5月29日、北越急行は同年12月1日より普通運賃と通勤定期運賃を10 %値上げする変更認可申請を国土交通省北陸信越運輸局に行ったことを発表した。また、トイレ付き車両を当初の計画よりも前倒しで導入することを検討していることも発表された。 2018年12月1日、「永続的に鉄道を走らせていく」ため運賃改定が実施された。普通運賃と通勤定期が10 %値上げされたが、通学定期は据え置かれ、中学生用定期が新設された。
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