化学構造の相違とは? わかりやすく解説

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化学構造の相違

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 00:43 UTC 版)

デオキシリボ核酸」の記事における「化学構造の相違」の解説

DNARNAの化学構造違い第一は、構成糖が、RNAリボースで、リボースから2'位の水酸基酸素一つ少ない2'-デオキシリボースであることである。これにより、構成糖の立体配座異なる。DNAではリボースC2'-エンド構造を取ることが多いが、RNAでは2'位のヒドロキシ基存在により立体障害生じリボースがC3'-エンド構造を取る。このためDNAB型らせん構造取りやすく、RNAA型らせん構造取りやすくなるという違い生じる。この結果RNAらせん構造は主溝が深く狭くなり、副溝浅く広くなる。らせん構造についての詳細は、記事二重らせんに詳しい。 1本鎖RNAでは2'位のヒドロキシ基比較柔軟な構造取り反応性もあるため、DNA比較すると不安定である。水酸基酸素には孤立電子対2つあるため負の電荷帯びており、例えば、近接したリン酸リン周囲電気陰性度の高い酸素原子囲まれ水酸基酸素原子から求核攻撃を受けやすく攻撃によりホスホジエステル結合が切れ、リン酸リボース骨格開裂する可能性があるなどDNA比べて安定である。この特性から、翻訳役割終えたmRNA直ち分解することが可能になるバクテリアでは数分動物細胞でも数時間後には分解される)。安定RNAでは1本鎖水素結合形成しらせん構造となるなど、多様な二次構造三次構造取り安定性増している。 糖に結合している塩基にも違いがあり、DNAはA、C、G、Tであるが、RNAはTがU(ウラシル)に替わっている。ただし、DNA上にもUが稀に生じることがあり、また、塩基にTではなくUを用いDNA(U-DNA)を持つ生物存在する圧倒的大多数生物DNA構成塩基にUではなくTが用いられるのは、同じピリミジン塩基であるCは自然の状態でも脱アミノ化することでUに置き換わることがあるからである。そのため、U-DNAは頻繁に塩基配列変化し、またそれを防ぐためには、損傷してUに変化したCと元々がUであるのと識別する必要があるという問題がある。TはUの2'にメチル基ついている構造をしている。メチル基水素結合係わるものの他の原子には殆ど反応しないまた、Uに比較してCからは容易に生じず、Cの損傷によって生じたUを容易に検出できる。以上よりDNAではUではなくTが用いられているが、UはTよりエネルギー的に有利であるため、RNAではUが用いられている。

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化学構造の相違

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 15:07 UTC 版)

リボ核酸」の記事における「化学構造の相違」の解説

DNARNAの化学構造違い第一は、ヌクレオチド中の糖は、RNAリボースで、DNAは2'位の水酸基水素置換された2'-デオキシリボースである点にある。このためDNAではリボースC2'-エンド構造を取るが、RNAでは2'位のヒドロキシ基存在により立体障害生じリボースがC3'-エンド構造を取る。これに伴ってDNAB型らせん構造取りやすく、RNAA型らせん構造取りやすくなるという違い生じる。この結果RNAらせん構造はメジャーグルーブが深く狭くなり、マイナーグルーブが浅く広くなる。らせん構造についての詳細は、記事二重らせんに詳しいものが載っている。 DNA比較すると、RNA一般に安定である。RNA存在する2'位水酸基酸素には孤立電子対2つあるため、例えば、塩基性条件下、隣接したリン酸水酸基から求核攻撃を受け、ホスホジエステル結合が切れ、主鎖開裂するなどDNA比べて安定である。この特性から、翻訳役割終えたmRNA直ち分解することが可能になるバクテリアでは数分動物細胞でも数時間後には分解される)。安定RNAでは1本鎖水素結合形成しらせん構造となるなど、多様な二次構造三次構造取り安定性増している。 構成する塩基にも違いがある。RNA構成する塩基はA、C、G、Uの4種だが、大多数生物DNAではUの代わりにTが用いられる(Uを用いたDNAを持つ生物存在する(U-DNA参照))。これは配列情報同一性保持するためと考えられるというのも塩基Cは脱アミノ化という反応によってUに変化することがある最初からUだったものとCから変異したUは(1本鎖RNAであれば区別不可能で、元の配列が分からなくなってしまう。これに対しDNA用いられる塩基Tは、分子の構造的にUに自然に変わることは容易に起こらないので、Uを本来含んでいないDNAであればCが脱アミノ化起こして容易に認識できる。以上のことから、Uの代わりにTを用いる方が有利なのでDNAではそれが一般的になったと考えられる

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