RNAの化学構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 15:09 UTC 版)
リボヌクレオシドとは核酸塩基と糖の一種であるD-リボースとかβ-N-グリコシド結合で結合した化合物である。天然のリボヌクレオシドにはアデノシン(A)、グアノシン(G)、シチジン(C)、ウリジン(U)の4種類がある。このうちAとGを合わせてプリンヌクレオシドとよび、CとUを合わせてピリミジンヌクレオシドとよぶ。これらの名称は、各々のヌクレオシドの塩基成分の名称がアデニン、グアニン、ウラシル、シトシンであることによる。リボヌクレオシドのリボース環の殻炭素原子は「ダッシュ(プライム)」をつけた番号で示し、塩基部分の各原子は番号で示す。リボヌクレオシドの水酸基とリン酸基が結合した物質がリボヌクレオチドであり、RNAを構成する最小単位である。4種のリボヌクレオシドとリン酸化される水酸基の位置の組み合わせや個数によって色々なリボヌクレオチドができる。リボヌクレオチドが互いにリン酸ジエステルを介して1本の鎖状につながった物質がオリゴリボヌクレオチドであり、RNAという。RNA中でのリン酸の結合位置はヌクレオシドの5'位酸素と3'位の酸素原子である。相補的な塩基配列をもった一本鎖RNA同士はワトソン-クリック塩基対で、逆平行に会合し二本鎖RNAを形成する。二本鎖RNAは11塩基対で1回転するA型二重らせん構造をとる。一本鎖RNAにそれと相補的な配列をもったDNAを加えたRNA-DNAハイブリッド二重らせんは固体状態ではA型二重らせん構造である。しかし溶液中では異なる構造をとっており、その特異的な構造がRNaseHに認識されRNA鎖が切断されると考えられている。
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