化学構造と生合成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/10 10:07 UTC 版)
スベリンは芳香族化合物の重合体および脂肪族化合物の重合体の2種類の構造からなる。芳香族化合物重合体は主に一次壁、脂肪族化合物重合体は主に一次壁と細胞膜の間に位置し、この2つの構造の間は架橋構造によって結合していると考えられている。スベリンモノマーの量・質的な構成成分は植物種によってさまざまである。一般的な脂肪族の構成成分としてα-ヒドロキシ脂肪酸(主に18-ヒドロキシオクタデク-9-エン酸)やα,ω-二酸(主にオクタデク-9-エン-1,18-二酸)などが挙げられる。芳香族化合物重合体のモノマーはヒドロキシ桂皮酸とその誘導体(フェロイルチラミンなど)である。 ある種の植物では芳香族化合物と脂肪族化合物の他、グリセリンも主要なスベリンの構成成分の一つとなっていることが知られている。予想されるグリセリンの機能は、スベリンポリマー形成の過程で、脂肪族化合物同士の重合、および脂肪族化合物と芳香族化合物との重合を助けることである。芳香族化合物の重合の過程にはペルオキシダーゼが関わっていることが知られている。 脂肪族化合物の生合成の初期のステップはクチンと同じであり、芳香族化合物の生合成の初期のステップはリグニンと同じである。 芳香族化合物の重合体には植物色素のフロバフェンが含まれることもある。
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