初代 前期PGC10型(1969年 - 1970年)・後期KPGC10型(1970年 - 1972年)
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「日産・スカイラインGT-R」の記事における「初代 前期PGC10型(1969年 - 1970年)・後期KPGC10型(1970年 - 1972年)」の解説
開発はプリンス自動車工業時代からS74型として着手されており、発売は日産自動車合併以後の1969年2月である。おとなしいセダンのボディに獰猛なエンジンという意味の「羊の皮を被った狼」のキャッチフレーズが先代プリンス・スカイライン2000GT-Bからそのまま受け継がれた。レース用車両として、6気筒エンジンを搭載した2000GTをベースに、レース用DOHC4バルブの日産・S20型エンジンを搭載。ステアリングギヤ比をクイックに、サスペンションも固められた。またスカイラインの主張でもあった「サーフィンライン」も、ワイドタイヤを履く邪魔となり断ち切られ、大きくえぐられていた。レースに不要なヒーターやラジオはオプション扱いだった。 同年10月にはスカイラインシリーズ全体のマイナーチェンジに伴い、外装・内装に若干の変更が行われる。外装はヘッドランプハウジングが独立したタイプの3分割グリルだったものがワンピースグリルと呼ばれるものに、メッキ仕上げだったフェンダーミラーはつや消し黒に、内装ではステアリングホイールがウッドから、それまでスポーツオプションだった合成ゴム成型に変更された。 1970年(昭和45年)10月、C10型のマイナーチェンジと同時にハードトップと称するホイールベースが70 mm短縮された2ドアクーペボディが追加されたことに伴い、GT-Rはセダンに替わりクーペのKPGC10型となった。C10型マイナーチェンジによる変更点を除くPGC10型からKPGC10型への限定した変更点として、リアホイールアーチにFRP製の黒いオーバーフェンダーの装着、フェンダーミラーを砲弾型からタルボ型へ変更、フロントグリルの意匠変更、などである。4ドアセダンをベースに2ドアクーペを設定する場合、ハードトップスタイルを採用する例は同時期の西ドイツで多く見られるが、Bピラーがなくなることで低下するボディ剛性を担保する手法の一つでメルセデス・ベンツが好むホイールベース短縮を採用しており、フレーム剛性を据置きつつ若干軽量化を実現した。より低く流麗となったクーペボディは空気抵抗を低減し、短縮されたホイールベースは運動性能を高めることから、GT-Rの競争力はさらに向上した。 外観におけるGT系との相違は、拡大されたトレッドに対応するためリアホイールアーチがサーフィンラインをカットして上方へ拡大されているほか、前後ウインドシールドをはじめとした全てのガラスが青色の熱線吸収タイプではなく4気筒モデルのスタンダードと同じ無色透明タイプになり、リアデフォッガーやモール類、装飾類、ホイールカバーが装備されない点などが挙げられる。これらに加えラジオがオプション装備であるため、選ばなければアンテナもない。また、KPGC10前期型にはオプション装備のリアウイングを備えた車もある。防錆塗装はオプションであった。 総生産台数はPGC10型が832台、KPGC10型が1,197台。
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