偏微分
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数学(解析学)の多変数微分積分学における偏微分(へんびぶん、英: partial differentiation)は、多変数関数に対して一つの変数のみに関する(それ以外の変数は定数として固定する)微分である(全微分では全ての変数を動かしたままにするのと対照的である)。偏微分によって領域の各点で得られる微分係数と導関数はそれぞれ偏微分係数(へんびぶんけいすう、英: partial derivative)、偏導関数(へんどうかんすう)と呼ばれる。用語の濫用として、偏微分係数や偏導関数も偏微分と呼ばれる。偏微分はベクトル解析や微分幾何学などで用いられる。
函数 f(x, y, …) の変数 x に関する偏微分は
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「偏積分」
通常の微分に対する不定積分(原始関数)に対応する概念を、偏微分に対しても考えることができる。すなわち、偏導関数を既知としてもとの関数を復元する操作である。
例として、∂z⁄∂x = 2x + y を考える。偏微分するときにそうしたように y を定数と見て、x に関する「偏」積分として
をとることができる。ここに、積分「定数」はもはや定数と仮定することはできず、もとの関数の引数のうち x 以外のもの全てを変数とするような函数と考えなければならない。なぜならば、x での偏微分に際してその他の変数は全て定数として扱われるから、x を含まぬ任意の函数は偏微分によって消えてしまうので、そのことを勘案して不定積分を定式化せねばならない。こういったことを諸々含めた意味で、その他の変数をすべて含む未知函数を「定数」と呼ぶことにするのである。
そうすると、任意の一変数函数 g を含む函数 x2 + xy + g(y) 全体の成す集合が、x に関する偏微分で 2x + y となる二変数 x, y の函数全体の成す集合を表すことがわかる。
仮に一つの函数の任意の偏微分が(例えば勾配などによって)既知であるならば、上記のやり方で以て全ての偏原始函数を同定すれば、もとの函数は定数の違いを除いて再構成することができる。
注釈
- ^ Adrien-Marie Legendre, Sur la mainère de distinguer les maxima des minima dans le calcul des variations, Mém. Acad. Sci.,
- ^ Miller, Jeff (2009年6月14日). “Earliest Uses of Symbols of Calculus”. Earliest Uses of Various Mathematical Symbols. 2009年2月20日閲覧。
関連項目
外部リンク
- Hazewinkel, Michiel, ed. (2001), “Partial derivative”, Encyclopedia of Mathematics, Springer, ISBN 978-1-55608-010-4
- Weisstein, Eric W. "Partial Derivatives". MathWorld (英語).
- 偏微分係数のページへのリンク