信号機の設置方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 09:45 UTC 版)
信号機を取り付けるのに用いられる柱は鋼管柱かコンクリート柱で、信号機類の保守点検を行う為に点検台と梯子が設置される。この点検台は最下位にあるレンズの下方中心から下方0.7 mを標準に設置される。信号機の裏面は白色に塗装され、背面板や灯箱の内部は黒く塗装される。背面板は建築限界や他の信号機との見通しの関係で一部分を切り抜いて設置することがある。多雪地域では長い庇を設けることで積雪で信号現示が見えづらくなることを防いでいる。 常置信号機を同一の場所に2基以上並列に設けるときは以下のルールが定められている。 最も左側の線路に対する信号機は最も左側に設ける。 主要な線路に対する信号機は他の信号機よりも上位に設ける。 同一の柱に信号機を設ける場合は3基を上限とする。 こうした条件を満たした上で、堅牢な構造で、かつ適切な確認距離が確保できるよう設置する。 色灯式信号機の場合、信号機柱の建植位置は軌道中心から1900 mm離隔するのが原則であるが、設置場所によっては2000 mmもしくは2400 mm離隔することも認められている。複数の線路が並ぶ間に信号機柱を設ける場合は、軌道中心どうしの間隔が4080 mm以上なければならない。地上との離隔は主本線に対するものは4200 mm以上、副本線の対するものは3500 mm以上で設置するが、地面から離隔距離が小さくなる低柱で設置することもある。中継信号機の場合は一般用は4200 mm以上の高さで設置するが、特殊用は3500 mmで良い。点検台の支金下端は本線3100 mm、側線3500 mmを地面から確保する。 同一線路から複数の進路に分岐する場合、最も近接するレンズの中心点とうしの距離を基準として、場内信号機では縦・横500 mm以上、出発信号機では縦300 mm・横400 mm離して設置する。また、異なる線路が平行する場合は場内信号機で2000 mm以上、出発信号機で1000 mm以上離す。 信号機を新規に設置する場合、取り付ける前にレンズ清掃や機構内部の整備を行い、電球式の場合は柱に信号機を取り付けてから電球を挿入する。電車線路とは離隔距離が必要である。コンクリート柱の場合、段堀で掘削を行ない、根かせをUボルトで取り付け、底板を据えて水平に固定する。鋼管柱の場合、コンクリート基礎の上に柱を設置し、配線用の穴は電線に無理を与えない程度の大きさで空ける。軟弱地盤の場合は電柱基礎枠を用いて施工する。 鉄道信号機を使用しない場合、「×印を信号機に付ける」「信号機を線路に対して横に向ける」といった措置が行われる。この措置は、信号機が故障による消灯(この場合、列車を緊急に停止させなければならない)と受け止められないようにするためである。併合閉塞によって閉塞扱いを頻繁に取りやめることが想定される場合は中間駅の信号機に信号機使用停止標を設置する。
※この「信号機の設置方法」の解説は、「日本の鉄道信号」の解説の一部です。
「信号機の設置方法」を含む「日本の鉄道信号」の記事については、「日本の鉄道信号」の概要を参照ください。
- 信号機の設置方法のページへのリンク