保育園落ちたブログ騒動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 14:45 UTC 版)
「第3次安倍内閣 (第1次改造)」の記事における「保育園落ちたブログ騒動」の解説
2016年2月15日、公費で運営される「認可保育所」の入所選考に子供が落ちてしまったブロガーが「保育園落ちた日本死ね」とのタイトルの文をはてな匿名ダイアリーに投稿し、17日17時までにフェイスブックで3万回以上シェアされるなどの反響を呼んだ。17日には都内でおよそ10か所の保育所を経営する駒崎弘樹がブログで「怒りましょう」「自治体に文句を言うべき」などと呼びかけ、地上波の報道番組でも取り上げられるなどの社会現象となった。国会でも29日の衆院予算委員会で民主党衆議院議員の山尾志桜里がこのブログを紹介し、これに対し首相は「匿名である以上、実際起こっているか確認しようがない」と答え、保育士への待遇改善などを訴えながらも、待機児童が増えていることなどへの山尾の追及に対し反論した。この追及に対し議席からは「誰が書いたんだ」などとやじが飛び、首相の内容の真偽を疑うような発言もあって同じような境遇の人々の気持ちに火をつけ、ブログの内容が広く拡散された。 書いた本人は「大勢の人に見られるということを意識していなかった」「たまに知り合いにこの話をされると、どきっとしてしまう。正直、反応の大きさに驚いている」などと語っているとされるが、精神科医の香山リカがこの意見に共感する、子供を持つ母親に限らない幅広い立場の人々が出現していることを指摘し「私にも実は子どもがいない。でも、ここで大きな声で言わせてもらおう。保育園落ちたの私だ」と語るなど賛同者が広がり、共感の意を示すためのネット署名は1万人を超えた。3月9日、厚生労働大臣の塩崎恭久は、「子どもを預ける場所を確保して働きたいという人がいることはよく分かる」と述べ実態調査を行う考えを示し、国会内で保育制度の充実を求める2万7000人分余りの署名を受け取った。なお、平成28年度保育対策関係予算は9294億円で平成25年度の4611億円の約2倍に達している。3月10日、上記のやじについて自民党衆議院議員の平沢勝栄が自身の発言と認め陳謝した。 2015年10月 - 12月の労働力調査によると夫婦共働きの割合が初めて5割に達し既婚女性の平均収入が過去最高となっており、その一方で女性の活躍の場の広がりに伴って働き始める母親が増え保育所のニーズが高まるジレンマに直面し待機児童は5年ぶりの増加に転じた。東京の特に周辺の区に待機児童は集中し、2015年4月に始まった「子ども・子育て支援新制度」や雇用情勢の改善が需要を掘り起こした。需要はサービス価格を上昇させ新規参入を増やすのが自然だが、保育市場は9割超が行政と社会福祉法人で占められ、これらに多額の補助金が出ているため価格メカニズムが働かず新規参入不足が常態化している。全国保育団体連絡会などに属する保育園の園長は、役所から多くの補助金を獲得することが仕事になっており、認可権を持つ自治体が撤退リスクや保育の質の低下などを理由に株式会社の申請を認可せず参入障壁となってきた。安倍は11日の参院本会議で待機児童が多い自治体と連携して具体策を検討する考えを表明した
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