人身売買・犯罪組織の被害者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 15:05 UTC 版)
「外国人労働者」の記事における「人身売買・犯罪組織の被害者」の解説
詳細は「人身売買」を参照 労働者の募集・渡航に絡んで、人身売買が発生するケースも見られる。 日本への就労に絡む人身売買事件は少なくなく、蛇頭の一部や日本の暴力団が現地で人員を募集、日本への渡航費用や手段・国内での職場や居住先を斡旋するとしながら、多くの借金を背負わせている。日本についたら旅券や外国人登録証を取り上げ、強制労働させるという事件もおこっている。殊に女性に関してはこれらの手口で売春を強要される等の被害に遭う事例が多数にのぼる。すでに1980年代から問題が顕在化していたが、2004年には米国から、日本は人身売買要監視国の指定を受けるという事態にまで発展している。 このため日本政府では、2004年から人身売買監視強化を目的とした入国管理法改正により、人身売買被害者に関しては公的な保護を行い国費による帰国支援を行ったり、犯罪行為究明のため人身売買被疑者の裁判期間中は国内滞在を認める方向で進んでいる。また警察庁もこれら犯罪行為の温床に成りやすい性風俗売春営業店(無店舗営業型のデリバリーヘルスを含む)を監視・取り締まる方向で風俗営業法改正を進め、第4章第2節第2款の「無店舗型性風俗特殊営業の規制」といった項目おいて特に実体が不明確だった無店舗型性風俗売春産業に対し、営業届け出の義務とその他細かい業務内容の規定が盛り込まれ、罰則の適応などの面で強化された。 一部には、渡航費用や滞在費用として、家財道具や家屋を売り払って来る者も在るが、その中には密入国を斡旋するマフィアにそれらを騙し取られ、さらに渡航滞在費の不足分として強制労働や犯罪への加担を強制させられるといったケースも報告されており、一攫千金を夢見た代償としては、あまりに多くを失う人もある。 ただし、米国が指摘した日本の人身売買には、年間8万人ほど来日していたフィリピン人タレントのホステス就労を指摘したとも取られ、米国では日本のキャバクラのような芸者文化から始まった営業システムが理解されておらず、性産業だとする誤解があった。当時、常任理事国入りを第一目標としていた日本政府は、直ちに人身売買として認めてしまい、興行ビザの大幅な規制を行ったが、これにより大きな経済的損失を被ったフィリピン政府は興行ビザでの入国の維持を日本側に求めており、在比日本大使館前では抗議集会も行われた。 また飲食店、水商売、風俗店を中心に外国人経営者が外国人の不法就労を助長し、逮捕される例も多く見られる。
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