交通機関からの「飛び降り」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/20 09:02 UTC 版)
「飛び降り」の記事における「交通機関からの「飛び降り」」の解説
「鉄道人身障害事故」も参照 鉄道のプラットホームから線路上に飛び降りる行為が自殺目的で行われ「飛び降り」とされることがある。しかしホーム上から路盤への落差は通常低く、むしろ列車への「飛び込み」とも呼べるものであろう。また、運行中の船舶から飛び降りる例もあり、スクリューに巻き込まれて即死することがある。 これらのほか、跨線橋や駅舎から、さらには高速道路等の跨道橋から、逆に高架橋や橋梁から飛び降りる例もある。高速道路や線路への飛び降りは、同落差の通常の建物から飛び降りるよりも危険性が高く、また関係する交通機関への損害や悪影響も大きい。 自殺目的以外では、無賃乗車や隣接ホームへの移動を目的にホームから線路上へ飛び降り、列車に轢かれた事故例もある。 また、走行中の鉄道車両やバスからの飛び降りは、自殺目的の例もしばしばあるが、駅・停留所以外からの降車や、完全に停車する前に早く降車するなどの目的で行われる場合が多くみられた。列車暴走事故を避けようとして飛び降りる例もあるが、高速走行中の列車からの飛び降りは脱出に失敗し死亡した事故例が多々あるように非常に危険であり、困難な決断を迫られる。 かつて日本の鉄道では、客用扉が走行中にも開閉可能な旧型客車や、オープンデッキの古典路面電車などで、走行中列車での飛び乗りや飛び降りが横行していた。転落事故もあり、著名人では宮城道雄が列車から転落死している。 国鉄およびJRグループでは、国鉄20系客車(1958年)にて全ての客用扉が走行中施錠されるようになり、12系客車(1969年)で客車として初めて自動扉が装備された。1990年には和田岬線の気動車化により定期旅客列車から旧型客車が全廃された。イベント等で走行する旧型客車にも保安要員の添乗が義務付けられており、飛び降りなどの危険行為は制止される。 しかし現在でも、新興国、特に高温多湿な諸国では、非冷房のバスや鉄道車両の客用扉を開放して走行する例がみられ、しばしば扉から乗客がはみ出した危険な状態で運行される。先進国の例として、従来ロンドン等で路線バスとして使用されていたルートマスターは出入り口がオープンデッキであり、現在は動態保存目的の運行を除き引退している。サンフランシスコ・ケーブルカーにも、オープンデッキの古典車両が珍しくない。 また、スキー場等では索道からの飛び降りも散見され、特に旧型のチェアリフトでは容易に搬器からの飛び降りが可能である。しかし索道は未整備の箇所やコース外をしばしば通過し、場所により落差も大きく、コース外での滑落・遭難、雪崩の誘発、硬い凍結した圧雪面への落下や工作物との衝突など、管理者・行為者の予期せぬ事故により死亡あるいは重傷を負うことが考えられ、支柱等には飛び降り禁止の警告が表示されている。また、人が搬器から落下すると、他の搬器も反動で大きく揺れ、場合によってはワイヤーが支柱から脱索する場合があり、他の乗客にとっても大変危険である。
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