五番館
種類 | 株式会社 |
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本社所在地 |
![]() 北海道札幌市中央区北4条西3丁目3-1[1] |
設立 | 1928年(昭和3年)9月17日[1] |
業種 | 小売業 |
事業内容 | 百貨店業 |
資本金 | 1億円[1] |
決算期 | 2月[1] |
主要子会社 | 五番舘ビル[1] |
五番舘 (閉店時は札幌西武) | |
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閉店セール中の札幌西武(旧五番舘西武) | |
店舗概要 | |
所在地 |
〒060-8555 北海道札幌市中央区北4条西3丁目3-1 |
開業日 | 1899年(明治32年) |
閉業日 | 2009年(平成21年)9月30日 |
正式名称 | 五番舘 |
施設管理者 | 西武百貨店 |
施工者 | 伊藤組土建(新館)[2] |
敷地面積 | 6,280 m²[3] |
商業施設面積 | 19,485 m²[4] |
営業時間 | 10:00 - 20:00 |
前身 | 札幌興農園 |
後身 | 五番舘西武を経て西武百貨店札幌店へ |
最寄駅 | 札幌駅 |
最寄バス停 | 札幌駅バスターミナル |
SEIBU |
五番舘[5](ごばんかん)は、1906年(明治39年)から1990年(平成2年)まで北海道札幌市中央区にあった日本の百貨店である。前身の札幌興農園と後身の札幌西武を含めると1894年(明治27年)から2009年(平成21年)までとなる。 五番館の『館』の字は、正確には『舘』の字である[5]。
当百貨店の跡地の一部に設置された暫定施設『コバルドオリ』についても本項で記述する。
概要
輸入雑貨販売に積極的で、全国の百貨店に先駆けて女性店員を採用した他、日本初のフォードディーラーとして輸入車販売を行うなど、進取の気風に富んでいた[6]。一方で、「新巻きは五番舘」と言われるほど新巻鮭の販売に強く[7]、サケ加工大手に成長した石狩市の佐藤水産が1954年(昭和29年)に五番舘と取引を開始したことを切っ掛けに飛躍的に成長する[7]など、取引先と共に成長しようとする日本的な経営方針[6]で営業していた。この取引を切っ掛けに札幌に進出[6]して1959年(昭和34年)に五番舘に直売部開設する[7]など飛躍したことを記念して2001年(平成13年)に完成した佐藤水産のサーモンファクトリーは外壁を赤レンガとし、その前にある広場を「五番舘広場」と命名している[6]。
かつては札幌駅に一番近い百貨店として修学旅行生などの観光客も多かった。また、創業時の横浜の外国人居留地の洋館を模した赤レンガ造りの建物の印象は強く、札幌西武となった後もロフト館7階にイベントホール「五番舘赤れんがホール」が引継がれ閉店まで存続していた[6]。
五番舘の名称は、興農園の電話番号から五番をとって洋風に五番舘としたのが由来である[8]。小樽から数えて5番目の開拓使番所の跡があったからなど他の説もある[6][9]。
歴史


1899年(明治32年)[6]、三井物産札幌出張所初代所長の小田良治が、小川二郎(東京興農園札幌支店長)のために資金を投じて[8]、現在の札幌市中央区北4西3に、横浜・外国人居留地の洋館を模した赤れんが2階建て面積661㎡の建物を種苗・農機具の販売を目的に建築[6]。1900年(明治33年)「札幌興農園」と改称、独立した[8][10]。

1906年(明治39年)に 「五番舘札幌興農園」と改め、小川が従業員に冬にも職を与えようと考えて従来の種苗、農機具のほか、洋品雑貨も取り扱うデパートとしてオープンした[8]。 1910年(明治43年)に小川は退社し、小田が経営を引き継ぎ、初代社長に就任した[8]。小田は長期間アメリカ滞在を経験しており、先進国のデパート研究を生かし、経営改善を行うとともに、店舗面積を4倍の2,647㎡に拡張して当時としては本格的なデパートとして体制を整えた[8]。中でも店頭販売に女子店員を採用したのは全国的にも珍しく、また1926年(大正15年)にはフォード社と輸入契約し、日本で初めてフォード自動車の販売を始めている[8]。
1928年(昭和3年)に株式会社五番舘を設立[6]。初代社長は小田、資本金は150万円であった[11]。1936年(昭和11年)、フォード社と北海道代理店契約を解除して名古屋市の豊田自動車と代理店契約を結び、販売を開始。これがのち札幌トヨタ自動車として発足した[12]。
戦後
1946年(昭和21年)に3代目社長に小田直司が就任[12]。1959年(昭和34年)には地上6階地下3階の新店舗を建設して増床し[6]、1965年(昭和40年)には年商47.9億円(売場面積9,864m2)を上げて、三越の年商45.6億円(売場面積9,554m2)を上回って丸井今井の年商83.6億円(売場面積15,491m2)に次ぐ道内第2位となるなど[13]、札幌の3大百貨店の一つとして激しい競争を繰り広げた。1972年(昭和47年)10月1日には地上8階地下3階に建替えて増床し[6]、同じ札幌駅前に進出した東急百貨店やすすきのに進出した松坂屋(ヨークマツザカヤ)などに対抗して独自に営業を続けた。
だが、競合の激化から、1979年(昭和54年)に初めて欠損を出し、この前年には髙島屋と提携を結んだが効果がなく[14]、次にダイエーとの提携で「覚書」まで交わすが、五番舘側の意向で解消。一転して西武百貨店との間で提携交渉が進められ[15]、1982年(昭和57年)に西武百貨店と業務提携を締結[6]、1988年(昭和63年)に旭川西武と合併して「西武北海道」となり[6]、企業としての五番舘は消滅したが、その後も店舗名は五番舘を使用し続けた。

1990年(平成2年)6月13日に新館を増設して全面改装した際に店名を五番舘西武として[6]、伝統ある店名に別れを告げ、1997年(平成9年)に西武百貨店本体に吸収合併されて店名も札幌西武となり[6]、五番舘の名称は完全に消滅した。
- 閉店
2003年(平成15年)3月に札幌駅直結の大丸札幌店が開業した影響で道内の百貨店の勢力図が大きく塗り替えられると、売上が札幌で5位に沈んで苦戦が続いたため[16]、2009年(平成21年)9月30日には札幌西武も閉店し、五番舘時代からの百貨店としての歴史に終止符を打った[17][9][18][19]。札幌そごうは2000年に、ロビンソン百貨店札幌店(旧ヨークマツザカヤ)は2009年1月に閉店しており、札幌西武の閉店によって、セブン&アイ・ホールディングスが当時有していた百貨店3ブランドはすべて札幌から撤退したことになった。2016年9月には北海道地区で唯一残っていた西武旭川店も閉店し、そごう・西武は北海道地区から完全に撤退した[20]。

閉店後の土地・建物は[21]、2011年(平成23年)にヨドバシカメラが買収[3][19][22]。建物を取り壊し、当初は一旦駐車場として利用することになっていた[23]。2015年(平成27年)8月、ヨドバシカメラマルチメディア札幌の新館を建設することが報じられたが[24]、2018年(平成30年)6月27日、再開発準備組合の設立に向け調整に入ったことが北海道新聞の記事で明らかになった[25]。再開発ビルは、2028年(令和10年)夏の完成を目指している[26]。
主なフロア構成
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斜体文字は、西武百貨店札幌店時代のフロア。
階 | フロア概要 | ||
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屋上 | 不明、情報求む。 | ||
8階 半屋・尖塔2階 |
ワイズフォーリビング札幌西武店 | ||
7階 半屋・尖塔1階 |
直営デパート食堂 赤れんがホール、北海道管区行政評価局・札幌総合行政相談所 | ||
6階 | モンディーン(時計) | ||
5階 | 紀伊國屋書店、フレデリック・コンスタント(時計) | ||
4階 | 山野楽器、カフェジリオ(喫茶店) | ||
3階 | トゥモローランド[27] | ||
2階 | 婦人服(プライドグライド、イネド、エフデ他) | ||
1階 | 化粧品 | ||
地下1階 | デパ地下
| ||
地下2階 | デパ地下、道内各地食料品、酒屋、スタンド型喫茶、婦人服、生フルーツジュース販売スタンド、 西武ロフト札幌店地階地下連絡通路 | ||
地下3階 | スープカレー店、婦人服、札幌市営地下鉄南北線さっぽろ駅連絡口 |
コバルドオリ
映像外部リンク | |
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リアルエコノミー | |
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コバルドオリ(CoBAR STREET)は、旧五番舘西武跡地の一部につくられた交流空間施設。立ち飲み酒場などの飲食店、都心部に店舗を構えたい事業者が展開するチャレンジショップ、コミュニティスペース「コバル計画」を設置。札幌駅前通地区の仲通の魅力を発信する新たな実験の場として2017年(平成29年)12月22日に期間限定で営業を開始した[22][19]。施設運営は札幌駅前通まちづくり株式会社が行う[22]。名称の「コバル」は、コミュニケーションの「コ」(Co)と飲食店の「バル」(Bar)を合わせた造語で、仲通の活性化、新しい文化の創出を目指す意味合いがある。
「コバル計画」ではコワーキングスペースとしてドロップイン利用や貸切利用ができるほか、仲通の賑わいを創出するため各種イベントの企画・発信も行う。[28]
2019年10月14日をもって営業を終了した[29]。
五番舘を扱った作品
書籍
- 写真集『札幌昭和ノスタルジー―我が青春の街角へ』(著:大鹿寛、ぶらんとマガジン社 ISBN 978-4904803097、2014年12月)
映像作品
- ネット動画『CG散歩「北の風の記憶」/札幌五番館デパート - YouTube』(作:MtBiplane、2013年6月13日)
- ネット動画『札幌五番館(西武)の歴史 Sapporo Seibu - YouTube』(作:北海道歴史チャンネル、2017年11月30日)
- ネット動画『さっぽろの心をあなたに 赤い鳥 - YouTube』(作:Chai_en、2014年8月18日)
脚注・出典
- ^ a b c d e f 流通会社年鑑 1978年版, 日本経済新聞社, (1977-10-25), pp. 71-72
- ^ “五番舘西武新館(札幌西武)”. 建築実績. 伊藤組土建株式会社. 2016年11月9日閲覧。
- ^ a b “西武札幌店の跡地、ヨドバシカメラが買収へ”. 朝日新聞 (朝日新聞社). (2011年1月7日)
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の日付が不正です。 (説明)⚠ - ^ “百貨店業界、景気後退に拍車で閉店増”. 商業施設新聞 (産業タイムズ社). (2010年4月13日)
- ^ a b 『西武百貨店札幌店の営業終了について』(PDF)(プレスリリース)そごう・西武、2009年5月29日 。2016年3月9日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o “現代かわら版 札幌西武30日閉店 「五番舘」の思い出 今も”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2009年9月15日)
- ^ a b c “札幌支社長インタビュー(16)佐藤水産・佐藤壽社長 「天然サケ」品質をブランドに 売り上げ効率高め収益性重視”. 十勝毎日新聞 (十勝毎日新聞社). (2011年11月10日)
- ^ a b c d e f g セゾンの活動 年表・資料集 1991, p. 176.
- ^ a b “札幌の老舗デパート「西武百貨店札幌店」100年超の歴史に幕へ”. 札幌経済新聞 (みんなの経済新聞ネットワーク). (2009年5月29日) 2016年11月9日閲覧。
- ^ 大岡聡. “昭和戦前・戦時期の百貨店と消費社会”. 経済研究所研究報告52号 (成城大学経済研究所) (2009).
- ^ セゾンの活動 年表・資料集 1991, p. 176 - 177.
- ^ a b セゾンの活動 年表・資料集 1991, p. 177.
- ^ デパート新聞社編『全国百貨店年鑑 昭和42年版』デパート新聞社、1967年。
- ^ 「名門百貨店坊っちゃん社長に振り回されてダイエーVS.西武のいやいやながら「仁義なき戦い」」『週刊文春』1981年8月13日号
- ^ 「西武百貨店札幌五番館 全面提携の調印」『読売新聞』1982年2月19日 8頁
- ^ “もっと知りたい 道内デパート情勢”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2007年6月9日)
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の日付が不正です。 (説明)⚠ - ^ “西武百貨店札幌店の営業終了について”. 株式会社西武百貨店. (2009年5月29日) 2021年6月5日閲覧。
- ^ “103年の歴史に幕 札幌西武が閉店”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2009年10月1日)
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:|date=
の日付が不正です。 (説明)⚠ - ^ a b c "キニナル~札幌駅前の一等地"旧西武跡地"に新たな動き". どさんこワイド179. 14 November 2017. 札幌テレビ放送. 2017年11月16日閲覧。
- ^ “最北のデパートが閉店 西武旭川店、地域に影響”. 産経新聞. (2016年9月30日) 2021年9月18日閲覧。
- ^ “工事実績”. 株式会社 高橋重機興業. 2019年7月21日閲覧。 “2011年「旧五番舘西武解体工事」”
- ^ a b c “札幌西武跡地に飲食スペース「コバルドオリ」12月開業”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2017年11月15日) 2017年11月16日閲覧。
- ^ “ヨドバシカメラ、商業施設建設先送り 旧札幌西武跡地、当面は駐車場”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2011年8月25日)
- ^ “ヨドバシカメラ、札幌2店体制 西武跡に新店 現店舗維持検討”. 北海道新聞 (47NEWS). (2015年8月20日) 2015年10月5日閲覧。
- ^ “札幌西武跡地、再開発ビル29年にも開業 市、準備組合設立へ調整”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2018年6月28日) 2018年6月30日閲覧。
- ^ 「札幌のヨドバシ再開発ビル着工 28年夏完成目指す」『日本経済新聞』2025年3月3日。2025年5月3日閲覧。
- ^ “札幌西武閉店に伴うTOMORROWLAND営業終了のお知らせ”. KIRIMAGA. 株式会社エン (2009年9月1日). 2015年11月7日閲覧。
- ^ "札幌に新名所誕生!「コバルドオリ」今日プレオープン". どさんこワイド179. 21 December 2017. 札幌テレビ放送. 2018年6月30日閲覧。
- ^ “コバルドオリ 最後の営業 3連休は400人超、惜しむ声”. 北海道新聞. (2019年10月16日)
参考文献
- セゾングループ史編纂委員会 編『セゾンの活動 年表・資料集』リブロポート〈Serie SAISON 3〉、1991年11月。ISBN 978-4845706266。
関連項目
- セゾングループ
- サンヨー食品 - 資本関係はなかったが、主力商品の「サッポロ一番」というブランド名は、商号の「五番舘」をヒントに付けられた。当初は「札幌五番」「札幌五番舘ラーメン」という名称も検討されたが、「『五番』より『一番』の方が縁起も語呂が良い」との理由で「サッポロ一番」に落ち着いたという。
- 大国屋 - 小樽市の百貨店。五番舘と同じく西武百貨店の傘下に入るが、新店舗建物に移転し経営強化された丸井今井小樽店(当時)と競合に破れ、西武北海道設立前に不採算店舗として閉店。
- 丸井今井札幌本店 - 五番舘と同じく、札幌市を発祥とする百貨店。
- 西武ライオンズ - パシフィック・リーグ所属プロ野球チーム。セゾングループが西武グループから分裂した後も、優勝時にはセールを行なっていた。ホーム地は埼玉県所沢市だが、札幌市を準ホーム地とする構想や、本格移転する構想も一時存在していた。
- 赤い鳥 - 1972年、CMソング「さっぽろの心をあなたに」。キャッチフレーズは「カラフルワイド五番舘」。
外部リンク
- 五番館のページへのリンク