五島のキリスト教史とは? わかりやすく解説

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五島のキリスト教史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 22:51 UTC 版)

五島列島」の記事における「五島のキリスト教史」の解説

1566年イエズス会宣教師ルイス・デ・アルメイダらが五島にも来島してキリスト教カトリック)の布教行っている。これを受けて翌年領主宇久純定の子宇久純尭洗礼を受け、1571年家督継いでキリシタン大名となっているが、五島キリスト教はその直後から豊臣秀吉江戸幕府によるキリスト教禁止政策禁教令)よって一度はほぼ完全に衰退している。秀吉の時代には九州各地にかなりキリスト教浸透していたが、キリシタンへ迫害が始まると多く棄教するか潜伏キリシタンとなった1597年長崎殉教した日本二十六聖人中には五島出身聖ヨハネ五島もおり、現在では福江島堂崎天主堂彼の殉教祈念する像が建立されている。 その後江戸時代中期に、五島藩大村藩領からの開拓民移住させる働きかけをし、1797年寛政9年)、外海地方から108名が五島移住した。そのほとんどが潜伏キリシタンであったようだが、ここに五島におけるキリシタン信仰秘密裏復活した。彼らが藩から土地与えられたことを知ると外海地方からの移住者続々増え、その数は3000以上に上ったといわれる。 しかし、五島藩ではキリシタン対す厳し取り締まりはあまり行われなかったものの、今日のように信仰の自由制度として保障されていたわけではなくまた、移民という立場から、五島主だった港や平野部ではなく山間部僻地や、陸路での往来困難な奥まった小さな入り江などに移り住んで小規模な集落作った例が多い。五島潜伏キリシタン迫害時期にあってはこのような集落隠れむようにして密かに信仰維持し、特に明治維新前後の激烈な迫害を耐えた。 幕末1865年長崎大浦天主堂浦上潜伏キリシタン信仰表明し、これ以降続々長崎各地多くキリシタンがその信仰明らかに始めたが、神道国教化目的のため江戸幕府キリスト教禁止政策引き継いだ明治政府は、明治最初期に「浦上四番崩れ」と呼ばれる悲惨な宗教弾圧引き起こしたこの頃には五島各地キリシタンにも、長崎指導受けた信徒によってカトリック教義伝えられて、多くキリシタン信仰明らかにていったが、これに対して五島藩キリシタンを捕え、「五島崩れ」と呼ばれる弾圧繰り返した久賀島では、200名の信徒がわずか6坪の牢に8ヶ月間も押し込められ40名以上が死亡するという悲惨な牢屋の窄(ろうやのさこ)」事件起こっている。 このような迫害を耐え隠れて信仰守り抜いた五島のキリシタン達は、その後明治政府方針転換によってキリスト教の信仰認められる五島各地次々と聖堂教会堂)を建てた。 これらの教会小規模のものが多いが、長崎ある日最古カトリック教会国宝大浦天主堂建立直後といえる時期建てられ既に100年上の年月経ている建物もあり、その後建てられ比較新し教会とともに今も五島カトリック信者の心のよりどころとなっている。 また、明治期カトリック教会復帰することなく先祖代々からのキリシタン信仰受け継いでいるカクレキリシタンの人たちもいて、近年過疎化生活習慣変化のためその信仰伝承途絶えてしまった所も多いが、いまもカクレ信仰を守る人も僅かながら存在する五島は現在でもキリスト教徒カトリック信徒)が比較的多い地域で、人口10%以上がカトリックである。 列聖調査中のドミンゴス中村長八神父のような有名な五島出身信者もいる。五島の人にとっては小学校からカトリック信者クラスメートがいるのはごく当たり前のことであり、いまはカトリック仏教など他宗教との間に宗教上の争いなども特にない。 五島列島あわせて51ヶ所のカトリック教会があり、教会のある風景長く五島日常となっているため、郷土五島シンボルとして皆に愛されている。 2007年1月23日には、文化庁長崎の教会群とキリスト教関連遺産ユネスコ世界遺産文化遺産暫定リスト入り決めた長崎県内12ある構成資産のうち、五島列島では4箇所教会構成資産選ばれている。

※この「五島のキリスト教史」の解説は、「五島列島」の解説の一部です。
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