二人の姉と祖母の死とは? わかりやすく解説

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二人の姉と祖母の死

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 05:47 UTC 版)

出家とその弟子」の記事における「二人の姉と祖母の死」の解説

1916年大正5年5月11日一燈園での生活を続けていた百三のもとに、四姉の産後の肥立ち悪く回復見込めいだろうとの知らせ入った今日明日という状態ではないということであったので、百三は四姉の看護のためにはるを実家に行かせた。この時すでにはるは百三の子妊娠していたが、百三の両親ははるを百三の妻として認めず、はるは女中寝食ともにすることを強いられた6月21日になって父から「至急帰れ」の電報受け取り、百三は艶子とともに急ぎ帰郷した途中立ち寄った尾道の三姉の家で、百三は、三姉も重病で先が長くない状態にあることを知らされた。7月15日死期悟った四姉は親族枕元集め別れの言葉父母への感謝を口にした後、皆に念仏するよう頼み一同念仏の声に包まれ静かに息を引き取った。父は泣きながら「お前は見上げたものだ。このような美し臨終はない。」と言い立ち会っていた医者も「このように美し臨終立ち会ったことはない」と感嘆した。百三も四姉の死に深く感銘受けたその後尾道の三姉も同月の内に亡くなった。 四姉が亡くなると、家業跡取りとして婿に迎えていた四姉の夫と生まれたばかりの幼子扱い問題となった親族は、艶子が四姉の夫の後妻入って家業を継ぐことを望んだが、艶子は拒否話し合い結果、四姉の夫は実家帰り、四姉の娘は百三の養女とすることになったまた、この時に百三は、実家かなりの負債抱えていることを初め知った。この話し合いまとまって間もなく、百三の祖母息を引き取った二人の姉と祖母相次ぐ死経験した百三は、人間無力さ痛感するこの頃に『歌はぬ人』を書き次いで心の内に寺を建てる思いで『出家とその弟子』の構想練り執筆とりかかった11月から、健康のすぐれない百三は、医者のすすめにしたがって、はると温暖な仁保島村丹那療養した。百三はここで『出家とその弟子』を書き上げた題名は、同年に『白樺』に掲載され長與善郎の「画家とその弟子」にヒント得た考えられている。執筆要した日数は、合わせて40日ほどだったという。百三は、千家元麿犬養健らによって同年10月創刊され同人誌生命の川』の同人となり、『出家とその弟子』は、同年11月から翌年4月にかけて第四幕第一場までが掲載された。送られてきた原稿見た同人らは、「これはいい人出てきた」と喜んだという。 そのころ、百三の一高時代同級生は、久保正夫1916年大正5年1月に『聖フランシス小さき花』を出版久保謙も雑誌作品発表しており、芥川龍之介なども文壇登場しつつあった。百三の『出家とその弟子』も一部では好意的に受け入れられていたが、『生命の川』は創刊されたばかりでいつ廃刊になるやもしれない無名同人誌に過ぎなかった。また、同人誌である『生命の川』への掲載求められる1ページあたり50銭の支出病気療養中で実家援助生活していた百三には軽くない負担であり、実家家計状況知ってしまった百三は自分早く経済的に自立しなければとも感じていた。さらに、1917年大正6年3月には、はるが男児を生み、百三は父親となっていた。百三は、文筆業生きていくために『出家とその弟子』を出版して広く世に問いたいという思い募らせていった三次中学や一高時代の先輩友人通じて岩波茂雄に話を持ち込み、『出家とその弟子』は、6幕13場に新たに序曲」を加えた形で1917年大正6年6月岩波書店から自費出版として刊行された。初版800部の出版必要な500円は、これが最後と父に頼み込んで用立てた

※この「二人の姉と祖母の死」の解説は、「出家とその弟子」の解説の一部です。
「二人の姉と祖母の死」を含む「出家とその弟子」の記事については、「出家とその弟子」の概要を参照ください。

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