予防接種の対象
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/17 18:58 UTC 版)
予防接種の対象となる疾病は、主に予防接種法の第2条で定めるほか、内閣が制定する政令である「予防接種法施行令」(昭和23年政令第197号)の第1条にて別途定めることができる。対象者および対象年齢は本法に記載が無く、施行令によって規定されている。対象疾病は以下の通り、A類とB類に分類されている。 A類疾病 - 集団予防、および重篤な疾患の予防を目的としていることから、本人および保護者などに努力義務が発生する。 B類疾病 - 個人予防を主な目的としていることから、本人および保護者などに努力義務が発生しない。 分類法定上の疾病名(別名・一般名)対応するワクチン対象者2020年1月時点の予防接種対象A類疾病(予防接種法で規定)1 ジフテリア DPT-IPV(四種混合ワクチン)DPTワクチン(三種混合ワクチン)DTワクチン(二種混合ワクチン)ジフテリアワクチン 生後3月から生後90月の間、および11歳以上13歳未満 2 百日せき DPT-IPV(四種混合ワクチン)DPTワクチン(三種混合ワクチン)百日せきワクチン 生後3月から生後90月の間 3 急性灰白髄炎(ポリオ) DPT-IPV(四種混合ワクチン)ポリオワクチン 生後3月から生後90月の間 4 麻しん(はしか) MRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)麻疹ワクチン 生後12月から生後24月の間、および5歳以上7歳未満かつ小学校就学開始の1年前から前日までの間 5 風しん MRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)風疹ワクチン 生後12月から生後24月の間、および5歳以上7歳未満かつ小学校就学開始の1年前から前日までの間 6 日本脳炎 日本脳炎ワクチン 生後6月から生後90月の間、および9歳以上13歳未満 7 破傷風 DPT-IPV(四種混合ワクチン)DPTワクチン(三種混合ワクチン)DTワクチン(二種混合ワクチン)破傷風ワクチン 生後3月から生後90月の間、および11歳以上13歳未満 8 結核 BCGワクチン 1歳未満 9 Hib感染症(インフルエンザb型菌) Hibワクチン 生後2月から生後60月の間 10 肺炎球菌感染症(※小児のみ) 肺炎球菌ワクチン 生後2月から生後60月の間 11 ヒトパピローマウイルス感染症(HPV) ヒトパピローマウイルスワクチン(子宮頸がんワクチン) 12歳となる日の属する年度の初日から16歳となる日の属する年度の末日までの間にある女子 A類疾病(予防接種法施行令で規定)12 痘そう(天然痘) 種痘 (規定なし) 13 水痘(水疱瘡) 水痘ワクチン 生後12月から生後36月の間 14 B型肝炎 B型肝炎ワクチン 1歳未満 B類疾病(予防接種法で規定)1 インフルエンザ インフルエンザワクチン 65歳以上全員、および60歳以上65歳未満で心臓、腎臓、呼吸器の機能の障害、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害のいずれかを有する者 B類疾病(予防接種法施行令で規定)2 肺炎球菌感染症(※高齢者のみ) 肺炎球菌ワクチン 65歳全員、および60歳以上65歳未満で心臓、腎臓、呼吸器の機能の障害、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害のいずれかを有する者 法定接種の記載対象外となっている任意接種のワクチンには、ロタウイルスワクチンや、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)を対象としたMMRワクチン(流行性耳下腺炎ワクチンを含む新三種混合ワクチン)などがある(2020年1月現在)。これらは十分なデータが日本国内で蓄積していないことなどを理由に任意接種に分類されているものの、ワクチンの接種自体は国が認めていることから、地方自治体によっては接種費用の一部または全額が補助される。 2021年から接種の始まった新型コロナウイルスのワクチンについては、本法附則第7条第2項の規定により同法第6条第1項の臨時接種の形態で行われる。
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