欧州各国との比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/17 18:58 UTC 版)
2018年現在、欧州では各国が個別に予防接種の法律を施行している状況である。欧州16か国を対象に行った調査によると、うち10か国は予防接種の履歴を電子管理あるいは政府が中央集中管理するシステムを整えている。 ドイツ 日本では予防接種法と感染症法が別個に存在しているが、ドイツでは感染症予防法の中で予防接種についても統合的に規定している。この感染症予防法の第20条第2項に基づき、予防接種の常任専門委員会である独: Ständige Impfkommission(略称: STIKO)がロベルト・コッホ研究所内に設置されている。 STIKOが予防接種の対象疾病が勧告されている。先述の通り、日本ではA類疾病(努力義務、集団感染予防)とB類疾病(努力義務なし、個人予防中心)で分類し、A類疾病は予防接種スケジュールが定められている。一方のドイツSTIKOでは、スケジュール化された「標準予防接種」と、蔓延状況や緊急性に応じて接種が勧告される「その他予防接種」に大きく分類している。2015年現在、前者の標準予防接種には15の疾病が規定されており、2020年1月現在の日本のA類疾病 14種類に含まれないものとしてロタウイルス感染症がある。また、その他予防接種の分類には、日本の法定接種に含まれないものとして、コレラ、FSME(ダニによる脳髄膜炎)、黄熱病、A型肝炎、狂犬病、チフスがドイツでは規定されている。 予防接種の啓発や健康相談の観点では、2015年に健康増進・予防強化法案が提出されて成立している。この改正法により、感染予防法だけでなく、社会保障関連をとりまとめた社会法典(ドイツ語版)(独: Sozialgesetzbuch、略称: SGB)が改正され、未就学児の予防接種に関し、専門家による健康相談サービスの提供が義務化されている。
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