下関条約後の台湾
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 17:26 UTC 版)
「NHKスペシャル シリーズ 「JAPANデビュー」」の記事における「下関条約後の台湾」の解説
『産経新聞』は、番組で使用された「日台戦争」という用語について、出演した台湾人が「初めて聞く」「思いもよらない言葉だ」と驚いた と報じた。 1938年(昭和13年)に出版された『東洋歴史大辞典』によれば、当該台湾の戦いのことを「台湾の役」(1874年の台湾出兵も台湾の役と表現しており2度目)と表記している。同書によれば台湾民主国は20日間で瓦解し宣戦布告もなく日清戦争の一環として行われたとしている。また日本の公文書では明治廿七八年役の延長という扱いである。なお日本で一般的な呼称は当時の公文書の表記および台湾平定宣言による台湾平定もしくは台湾征討である。 NHK経営委員会の第1095回会議では「日台戦争」について、日本と台湾の戦争という「歴史的事実」がないのなら、あったように内容を放送することは放送法に違反するのではないか、との問いが小林英明委員から出された。応じた日向英実理事(放送総局長)は「歴史的な事実」は年代ごとに様変わりするとして、日華事変が今日では日中戦争と呼ばれていることを例に挙げた。さらに小林委員が「学会で多数説でなく、少数説や異説なら、そう説明するのが正しい放送」だと意見を述べたが、これに日向理事が、一説とは考えていないと答えた。 日本李登輝友の会の抗議声明に対する平成21年4月14日付NHKエグゼクティブ・プロデューサー河野伸洋の名による回答では「日本の専門家が1990年代に名付け」たと説明。後日、プロジェクトJAPANの公式サイトに記されたNHKの説明では、用語は「1995年、『日清戦争百年国際シンポジウム』から使われていました」とし、使用されている文献3点を示した。また台湾平定に際して戦闘は苛烈で日本軍の死者が5000人に上った ことに着目している。 一方、産経新聞や「日本李登輝友の会」は、4000人以上はマラリアによる病死であり「戦死」者と言えるのか、また国立国会図書館の論文検索でこの用語は見つからず学説と呼べる代物なのか、と指摘する。「日本李登輝友の会」の関係者は、「日台戦争」という用語は平成に入って用いられた造語であり、「一部の大学教授が使っているが原典は戦争の定義もしておらず、治安回復のための掃討戦に過ぎない」と批判した。
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