上院議員への転身
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 04:46 UTC 版)
「ロジャー・ウィッカー」の記事における「上院議員への転身」の解説
2007年11月26日、院内総務なども務めた上院共和党重鎮のトレント・ロット議員(当時は院内幹事)が突如議員辞職を表明、それに伴いウィッカーはヘイリー・バーバー州知事から後任の上院議員に指名される。指名を受けたことに伴って、2007年12月31日付で下院議員を辞職、同日付で上院議員に就任した。 補欠選挙は、翌2008年の2月に出された州最高裁判所の決定に従い、同年11月の大統領選挙と同時に実施された。この選挙でウィッカーは、55%の得票を獲得し、厳しい戦いの中で再選を果たす。この選挙でライバルとなる民主党側は、ブッシュ大統領の不人気などを追い風に、対立候補としてロニー・マスグローブ前州知事を立てたほか、上院民主党選挙委員会も300万ドルの選挙資金を投じるなど、ジョン・ステニス議員の引退以来20年近く遠ざかっているミシシッピ州の議席を奪還すべく、激しい攻勢をかけた。マスグローブ陣営はウィッカーの移民政策における主張の曖昧さや下院議員時代に最低賃金引き上げ法案に反対票を投じたこと、政治献金問題などを攻撃、一方のウィッカー陣営はマスグローブが民主党員としては極めて保守的(中絶反対派にして銃所持賛成派)であることから、通常の民主党リベラル派に対する主張とは異なり、献金問題(特にマスグローブ陣営に献金した支援者に、州政府からの融資3,400万ドルを焦げ付かせた食肉加工業者の経営陣が含まれていた問題)や、州知事時代に実行しようとした州旗の変更問題について攻撃した。ウィッカー陣営は、特に州旗変更問題について「我々の州の旗を殺そうとしている(tried to kill our state flag)」などと激しく攻撃した。この州旗変更問題は、マスグローブが州知事時代、同州の人口の37%を占める黒人有権者層からの支持獲得なども狙い、旧アメリカ連合国の国旗の紋章(南軍旗“The Battle Flag”のデザインと同じ)を含んだ現行の州旗のデザインを改めようとしたことが発端であるが、マスグローブは黒人有権者層の支持を獲得するどころか逆に白人層の支持を失うことになり、再選を目指した2003年の州知事選挙で敗北を喫するなど、彼にとっては非常に相性の悪い問題であった。今回の選挙でも、「前知事」という肩書きは全州的な知名度という点でマスグローブ陣営に有利な要素となったが、知事時代のこの州旗変更問題は同陣営にとってまたもやマイナス要因となった。 一騎討ちとなった選挙戦は、結局終盤までウィッカーがやや優位(支持率にして数ポイントのリード)を保ちながらも一進一退の攻防が繰り広げられる接戦となったが、最後の1週間で差を10ポイントに広げ、そのまま逃げ切った。同年の選挙では、前述のブッシュ大統領・共和党の不人気と民主党への追い風から共和党議員の多くが苦戦を強いられたが、その中でウィッカーの勝利は数少ない好材料といえる。 2012年・2018年の上院選ではいずれも民主党候補に大差をつけて再選。
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