ローマの都市構造とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > ローマの都市構造の意味・解説 

ローマの都市構造

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/09 20:17 UTC 版)

ローマ建築」の記事における「ローマの都市構造」の解説

都市新規に構築するにあたって、その計画逐一立案するのはたいへんな労力想像力を必要とするため、ローマ都市の構造一定の原則沿って構築した。これは同時にローマ社会構造そのものをその支配地域組み込む働き担っており、属州ローマ化に対して大い貢献することになる。 ローマ新設都市は、地中海東部普及していた幾何学的な構造有するいわゆるヒッポダモス都市計画」 の系譜連なるローマ人は、都市一辺2400ペース100ヘレディア の正方形整然と区画する手法用いたが、さらに東西南北大きな幹線道路通している。これは、都市建設に際して用いられ基軸となる測量線を道路整備したもので、南北に通る大通りを「カルド・マクシムス」、東西大通りを「デクマヌス・マクシムス」と呼んだデクマヌス正確な語源不明であるが、カルド蝶番や軸を意味し天空がこれを軸にして回転しているということを示す。都市創建者儀式則ってはじめにこの二本軸線決定し都市輪郭となる部分は鋤で土を掘り起こしつつ溝を切った。この溝は「ポメリウム」と呼ばれ都市を他と聖別する重要なであった測量技師は「グローマ」と呼ばれる機器用いて測量行い都市碁盤目状区切っていく(これによって整形され街区を「インスラ」と呼ぶ)。ポメリウム内側には矢狭間を持つ市壁建設されデクマヌスカルド延長四つ大きな城門設けられた。都市中心にムンドゥス呼ばれる穴が掘られ、そこに供物供えられた。ローマ歴史家たちによれば、これらの儀式ローマ人エトルリア人から教示されたものとされている。実際に都市建設儀式大地の神重要視されていることや、都市守護するカピトリウム三室内陣持った神殿は、エトルリア由来のものである都市の外部も正方形区画されており、これらは農場として個人分配された。 しかし、都市経済的要因によって膨張すると、幾何学的構造失われ、まったく異な形態都市形成された。1世紀末に造営され植民市であるクイクルム(現ジェミラ)は、カルドデクマヌス通り両道路の交差部分フォルムを持つ都市であったが、2世紀都市人口市壁内に収容できる限界超えると、南に拡張された。かつての南門都市新し中心になり、市壁外側フォルムセウェルス神殿バシリカ造られることになったが、新し市街それまで都市形態とは異なるものであったカルド・マクシムスはほぼそのまま延長されたが、旧市街通りあるよう列柱廊形成されず、デクマヌス・マクシムスらしき道路直線ではなく、完全な曲線である。概してその形態フォルム中心とする放射状で、旧市街ほど明確な構成持っていない。タムガス(現ティムガッド)もまた、1世紀末に建設された都市だが、やはり正方形ローマ伝統的な都市構成であったティムガッドは、カピトリウムのある市壁西側都市拡張され、セルティウス市場などが建設されたが、この新しい街も、クイクルム同じく規則性持っていない。このように繁栄遂げた都市は、膨張するにつれて最初骨格不明瞭になっていく傾向にあり、また、ローマ帝国滅亡後生き残った都市も、長い年月の間に碁盤目状構成失われ迷宮化していくようになる周到に計画され都市構成が、都市成長とともに混迷していく様は、首都ローマにおいても鮮明に現れている。

※この「ローマの都市構造」の解説は、「ローマ建築」の解説の一部です。
「ローマの都市構造」を含む「ローマ建築」の記事については、「ローマ建築」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ローマの都市構造」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ローマの都市構造」の関連用語

ローマの都市構造のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ローマの都市構造のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのローマ建築 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS