レスポール・スタンダード (Les Paul Standard)(1958–1960、1976–現在)
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「ギブソン・レスポール」の記事における「レスポール・スタンダード (Les Paul Standard)(1958–1960、1976–現在)」の解説
詳細は「Burst 1958-1960 Gibson Les Paul Standard」を参照 1958年には、以前のゴールドトップモデルと区別するために、新しいレスポールは「レスポールスタンダード」と呼ばれた。PAFハムバッカーピックアップ、メイプルトップ、ストップテールピースまたはビグスビートレモロテールピースを備えたチューンオマティックブリッジなど、1957ゴールドトップのほとんどの仕様が新しいモデルに引き継がれた。金色の塗装は、ギブソンのフラットトップとアーチトップのアコースティックギターとフルアコ、セミアコで長く使用されているサンバースト仕上げのチェリーレッドバージョンに置き換えられ、メイプルトップが透けて見えるようになったため、無地の「プレーントップ」のメイプルか、ブックマッチした2枚の(カーリーまたはキルティング)メイプルで作られた。1958–60年の仕様は、年ごとに、ギターごとに異なり、典型的な1958年製モデルは、ネックが厚く、フレットが薄く、フレットの高さが低かったが、1959年製モデルは、フレットに従来のものより幅広の「ジャンボ・フレット」が採用され、1960年製モデルは、ネックは断面が薄い「スリム・テーパード・ネック」、広いフレットが採用された典型的な1960ネックに発展した。コントロール・ノブも1960年中期からメタルプレート付きに仕様が変更された。 1958–59モデルで使用されたチェリー色の染料は、紫外線にさらされると急激に色あせたので、1960年の初めに、透過性が少なく、オレンジ味がやや多い色あせしにくい配合に改良された。これは「トマトスープバースト」と呼ばれることもある。スタンダードモデルの最初の生産は1958年から1961年の初めまで続き、これらの初期モデルのうち約1700本のみが製造され、この3年間に製造されたスタンダードモデルは愛好家にはBurst(バースト)と呼ばれ、その後1本数千万円の非常に高価で貴重なギターになった。 1961年にギブソンがレスポールモデルをモデルチェンジしてダブルカッタウェイのソリッドボディを採用(後のギブソンSG)したときに生産は終了したが、需要が多かったため、ギブソンは1976年にレスポールスタンダードの生産を再開した。 2008年生産モデルより、以下の部分の仕様が大きく変更された。ゴトーのクルーソン・コピーだったペグからグローバー製のロック式ペグに変更、チューニングの狂いが減少。 ボディ裏のパネルがクリアー化、内部構造が見えるようになった。 マホガニーのボディバックはソリッド構造(軽量化ホールあり)から、一部がくり抜かれたチェンバード構造(セミホロウ構造)となり、従来のモデルよりも軽量化(この加工は2006年後半から2008年までに生産されたスタンダードにも施されている)。 ネックは新開発のロングテノン・ネックを採用し、ボディのフロントピックアップ中央付近まで差し込まれたディープ・ジョイントにより、サステインが向上。 ネックシェイプはネックの裏側の頂点を6弦側に少しずらしたアシンメトリカル(左右非対称)ネックを採用した。6弦側を厚く、1弦側を薄くすることで握りやすさと弦の押さえやすさが向上。 ピックアップは出力の高い「バーストバッカー・プロ」を搭載。 ブリッジとテールピースはナッシュビルTOMのチューン・O・マチックから、トーンプロス社のロッキング・トーン・プロに変更、弦交換の際に外れて脱落するのを防止。 ストラップ・ピンはダンロップ製のロックピンに変更。 ジャックはノイトリック・ジャックを採用、シールドを差し込むとロックされて簡単に抜けるのを防止。 サウンド面に関しては、従来のスタンダードや同時期に生産されたトラディショナルより高域が強調されている。 2012年生産モデルより、以下の部分の仕様が変更された。コイルタップ機能が従来のモデルより向上され、よりシングルコイルピックアップに近いトーンが出せるようになった。 ネックは2008年モデルと同じアシンメトリカルネックが採用されたが、2008年モデルよりも薄くなった。 指板が、丸みのあるローポジションからハイポジションにかけて徐々に平らになっていく「コンパウンド・ラディアス」を採用。 ボディは、トラディショナルや2008年モデルとは異なり、モダン ウェイト・リリーフと呼ばれる加工が施された。重さ・音域共にトラディショナルと2008年モデルの中間となっている。 ピックアップのバーストバッカー・プロが改良され、コイルタップ機能が使用可能となった。 アウトプット・ジャックがトラディショナルと同じメタルプレートになった。 上記のバーストを再現したモデルはゴールドトップ同様、ヒストリック・コレクション・シリーズとして、カスタムショップで定番として生産しており、また若干廉価な価格としてはスタンダードモデルは現代的にブラッシュアップされており、従来の仕様に基づくモデルは下記のトラディショナルモデルが役目を引き継いでいる。
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