ユダヤ系と現代社会
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/30 23:02 UTC 版)
「ユダヤ系アメリカ人」の記事における「ユダヤ系と現代社会」の解説
ユダヤ系アメリカ人は現在の政界においても重要な地位を占める。しかしジェフリー・ヘルメリッヒ曰くユダヤ人の政治的影響力は選挙投票の傾向により実際よりも誇張される傾向にあるという。外交アナリストのミッチェル・バードはユダヤ人は宗教的思考に基づき投票を行っているという主張をしており、ユダヤ人は他の民族に比べ投票に行く比率が多いという。全ユダヤ系の人口比は2%にも満たないが、その94%が大統領選挙などに大きな影響力を持つエレクトラル・カレッジと呼ばれる州に住んでいる。[要出典] コメント 彼らの大半は民主党支持であるが、ヘルメリッヒは彼らを共和党の対イスラエル政策いかんによって特殊な変動を見せる選挙人であるとも述べている。これに対しメリーランド大学のエリック・ウスラナー博士は論文にて反論しており、それによるとたった15%程度のユダヤ人のみしか対イスラエル政策を選挙の主要因としておらず、83%は本件について特に気をかけていない。また論文は福音主義系のクリスチャンに対する否定的な見解こそがユダヤ系の共和党に対する政的価値観に多大なる影響を及ぼしているとし、伝統的に社会問題に対し保守的な意見を持つ保守派層はむしろ共和党支持者が多いとしている。ニューヨーク・タイムズの記事によればユダヤ票が共和党に流れる場合は信仰や信念を基とした政策が重要だと論じ、これが2004年大統領選挙で共和党所属のブッシュ候補がユダヤ人の多いフロリダ州を勝ち取った原因になったのではないかとしている。 政治批評によればユダヤ系はイラク戦争を誘導した責任の一端があるとしているが多くのユダヤ系は同戦争に対し他の民族や一般のアメリカ人と比較しても強い否定の立場をとっている場合が多い。彼らのイラク戦争に対する反対は彼らの強力な民主党支持ということだけには留まらず、支持政党や政治観に関わらず信念的に否定的立場を取っている者が多い。また2003年から2004年の時点では大半のアメリカ人がイラク攻撃を支持しており、後に徐々に懐疑的になっていった傾向にあるがユダヤ系は2003年の開戦直後より既に否定的で彼らがアメリカの大衆世論の波に乗って否定派に周った訳ではないということを示している。 2008年の大統領選挙では78%のユダヤ系が民主党候補の(現大統領の)バラク・オバマを、21%が共和党候補のジョン・マケインを支持した。この時共和党はオバマのバックグラウンドにイスラム教やパレスチナがあることを武器にユダヤ票の獲得を目論んだが結果失敗に終わった。またマケインの副大統領候補であるサラ・ペイリンの保守的な社会政策がユダヤ票を遠ざけたという意見もある。ちなみにオバマのチーフストラデジスト(政治コンサルタント)のデイヴィッド・アクセルロッドと右腕のラーム・エマニュエルはユダヤ人である。 ユダヤ人はゲイの人権に対し非常に寛容で、特に再建派、保守派、改革派などは正統派に比べゲイ同士の結婚にも協力的である。アメリカの再建派の中では同性結婚は普通に行われており、15のユダヤ系LGBT団体がアメリカには存在する。2007年には保守派が多数の者がラビにおいてもゲイの結婚を認めているという声明を発表。そのような風潮のため78%のユダヤ系は「結婚は男女の間でのみに正式成立する」としたカリフォルニア州の『ポジション8法』などを拒否しており、これは他の民族・宗教グループの見解と比較しても非常に高い比率である。 ユダヤ系は現在のアメリカのマリファナ規制にも否定的見解を持っており、86%が非暴力的なマリファナの使用による逮捕はおかしいとしている。これは同様の意見を持つ他のアメリカ人の比率61%、民主党支持者の比率68%と比較しても極端に多い。また85%がマリファナの医療目的での使用の規制に反対しており、これも同様の意見を持つアメリカ人の比率67%、民主党支持者の比率73%と比較しても高い。
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