ミヤコドリとは? わかりやすく解説

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みやこ‐どり【都鳥】

読み方:みやこどり

チドリ目ミヤコドリ科全長45センチ。頭と背が黒色、腹が白く、足とくちばしが赤い。日本では迷鳥とされる飛来記録少なくなく、春秋や冬に海岸でみられ、二枚貝こじあけて食べる。みやこしぎ。

ユリカモメの別名。古くから歌や物語現れる。《 冬》「嘴(くち)あかきあはれまづ見よ—/万太郎

ミヤコドリガイの別名。


ミヤコドリ

ミヤコドリ
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都鳥

読み方:ミヤコドリ(miyakodori)

ミヤコドリ科

学名 Haematopus ostralegus


都鳥

読み方:ミヤコドリ(miyakodori)

チドリ科

季節

分類 動物


都鳥

読み方:ミヤコドリ(miyakodori)

作者 中村汀女

初出 昭和26年

ジャンル 句集


ミヤコドリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/05 03:29 UTC 版)

ミヤコドリ
ミヤコドリ Haematopus ostralegus
保全状況評価[1]
NEAR THREATENED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: チドリ目 Charadriiformes
: ミヤコドリ科 Haematopodidae
: ミヤコドリ属 Haematopus
: ミヤコドリ H. ostralegus
学名
Haematopus ostralegus
(Linnaeus, 1758
和名
ミヤコドリ
英名
Eurasian Oystercatcher
      繁殖地       越冬地       周年生息地

ミヤコドリ(都鳥、学名: Haematopus ostralegus)は、チドリ目ミヤコドリ科に分類される鳥類の一種。

和名

「都鳥」という名の初出は『万葉集』4462番歌「舟競ふ 堀江の川の 水際に 来居つつ鳴くは 都鳥かも」(大伴家持作との推定がある)である[2][3]。「都鳥」の名は、とくに『伊勢物語』の「東下り」の段に登場することでよく知られている。ただし現在は、『伊勢物語』の「都鳥」は、その叙述からカモメ科ユリカモメ Chroicocephalus ridibundus のこととするのが通説である[4][5][6]

中世には、カモメの仲間(ユリカモメ)とチドリの仲間(本種)に対して「都鳥」の名が用いられていた[7]。室町時代の謡曲『隅田川』においては、都鳥は千鳥とも鴎ともいうと記される[8]。こうした名称の混用状態から、古典文学作品に登場する「都鳥」はどちらを指すのかという問題が生じた[9]貝原益軒は『大和本草』において、西土(筑紫)で本種が「みやこどり」と呼ばれていることを紹介し、『伊勢物語』の「都鳥」も本種ではないかと記した[8][3]

江戸時代、江戸で文化が発展すると、隅田川と結びついた「都鳥」に対する関心も高まり、文芸・絵画や音楽で題材とされた[10]。1815年、江戸の向島で植物園「百花園」を開設・運営していた本草家北野 鞠塢 きくう(佐原鞠塢)は『都鳥考』を著し、多くの文献を引用しながら、古典の「都鳥」はカモメ類ではなく本種であると結論づけた[11][6][注釈 1]。ただし、『伊勢物語』に「しろき鳥」とあるのは「くろき鳥」の書き誤りであるとするなど、考証面では強引さも指摘される[11][12]

明治時代、飯島魁らによって鳥類の和名の統一が図られるが、飯島が参考にしたとみられる島津重豪編『鳥類便覧』は鞠塢の説を取り入れていたため、本種が「ミヤコドリ」とされた[11]。1944年、熊谷三郎は『都鳥新考』を著して「都鳥」を本種とする説に反駁し、古典文学作品に登場する「都鳥」はユリカモメであるとした[9]

上述の通り、『伊勢物語』の「都鳥」はユリカモメとされるが、『万葉集』の「都鳥」については本種の可能性もある[13][3]。同時に詠まれた歌がホトトギスの初鳴き(5月中旬頃)を題材としており、ユリカモメの北帰の時期よりも遅いことなどが挙げられるが、決め手にも欠ける[13]

なお、貝類にも「ミヤコドリ」の名を持つ種(Phenacolepas pulchella あるいは Cinnalepeta pulchella.「ミヤコドリガイ」とも)がある[13][14]

形態

体長は45cmほどで、ハトより少し大きい。くちばしと足は長くて赤い。からだの上面は黒く、胸から腹、翼に白い部分がある。

分布

卵 (H. ostralegus) MHNT

北欧中央アジア沿海州カムチャツカ半島などで繁殖し、西欧アフリカ西岸、中東中国南部、日本にかけての海岸で越冬する。かつて日本では旅鳥または冬鳥として主に九州に渡来していたが、近年は東京湾でも定期的に観察されるようになった。また、アイルランド国鳥になっている。

生態

成鳥と雛

海岸で小さな群れを作ってすごすことが多い。英名の ‘Oystercatcher’ は、カキなどの二枚貝を食べる習性に由来している。くちばしは上下に平たくて先が鋭く、わずかに口を開けた二枚貝に素早くくちばしを差し込み、貝柱を切断して殻を開け、中身を食べる。ほかにカニゴカイなども食べる。

亜種

3亜種に分けられる[15]

脚注

注釈

  1. ^ 鞠塢は自宅で本種を3羽飼う[6]愛好家だった。

出典

  1. ^ BirdLife International. 2019. Haematopus ostralegus. The IUCN Red List of Threatened Species 2019: e.T22693613A154998347. doi:10.2305/IUCN.UK.2019-3.RLTS.T22693613A154998347.en. Accessed on 05 May 2025.
  2. ^ 熊谷三郎 1944, p. 3.
  3. ^ a b c 吉海直人. “「都鳥」幻想”. 同志社女子大学. 2024年7月20日閲覧。
  4. ^ ミヤコドリ”. 日本の鳥百科. サントリー. 2024年7月20日閲覧。
  5. ^ ユリカモメ”. 日本野鳥の会京都支部. 2024年7月20日閲覧。
  6. ^ a b c 磯野直秀『日本博物誌総合年表』平凡社、2012年、463頁。 
  7. ^ 熊谷三郎 1944, pp. 99–100.
  8. ^ a b 熊谷三郎 1944, p. 100.
  9. ^ a b 都鳥”. 2024年7月20日閲覧。
  10. ^ 熊谷三郎 1944, pp. 90–91.
  11. ^ a b c ミヤコドリ”. 徒然野鳥記. 2024年7月20日閲覧。
  12. ^ 熊谷三郎 1944, pp. 105–106.
  13. ^ a b c 都鳥(みやこどり)”. 万葉の生きものたち. バイオウェザーサービス. 2024年7月20日閲覧。
  14. ^ ミヤコドリ”. 愛媛県レッドデータブック. 愛媛県. 2024年7月20日閲覧。
  15. ^ Clements, James F. (2007). The Clements Checklist of Birds of the World (6th ed.). Ithaca, New York: Cornell University Press. p. 89. ISBN 978-0-8014-4501-9 

参考文献

関連項目

外部リンク


ミヤコドリ

出典:『Wiktionary』 (2021/08/15 06:02 UTC 版)

名詞

ミヤコドリ

  1. チドリ目ミヤコドリ科ミヤコドリ属一種学名: Haematopus ostralegus

翻訳


「ミヤコドリ」の例文・使い方・用例・文例

  • ミヤコドリの群れ
  • ミヤコドリ類
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