ミオグロビン尿症
学名:myoglobinuria
ミオグロビンはヘモグロビンに似たヘム蛋白で、筋細胞内での酸素運搬の役割を果たします。筋細胞の融解(壊死)で、この蛋白が血中に遊離し、尿から大量に排出される状態をミオグロビン尿症といいます。腎障害を合併することが問題となります。
原因はいろいろあります。糖原病のところで述べた垂井病、McArdle病などのように酵素欠損が明らかなものもあります。また熱射病のような特異環境、薬物中毒(蛇毒、悪性高熱など)があげられます。しかし、ミオグロビン尿症の多くはいろいろ検査しても原因がわからず、特発性ミオグロビン尿症として分類されています。
☆カルニチンパルミチールトランスフェラーゼ欠損(carnitine palmityl transferase (CPT) deficiency)
長鎖脂肪酸はカルニチンと結合して、アシルカルニチンとなり、ミトコンドリア内膜を通過します。アシルカルニチンの通過を助ける酵素がCPTです。CPT−I, IIがあり、酵素欠損はIの方が圧倒的に多いとされています。
長時間の運動、飢餓(糖分の補給不足)が誘因となって、筋力低下、筋痛をみ、その後ミオグロビン尿をみます。筋痙攣やsecond wind(McArdle病には特徴的)はみられません。
血清クレアチンキナーゼ(CK)値は発作時以外は正常です。阻血下運動負荷試験では乳酸値、アンモニアは正常と同じように上昇します。低脂肪、後糖質の頻回の食事、長時間の運動制限を指導します。
☆ホスホグリセロムターゼ、ホスホグリセリン酸キナーゼ、乳酸脱水素酵素Mサブユニット欠損(phosphoglyceromutase (PGM), phosphoglycerate kinase (PGK), lactic dehydrogenase M(LDH-M) subunit deficiencies)
PGM欠損は小児期からの運動時の有痛性の筋痙攣を主症状とします。まだ数例の報告があるのみで、きわめてまれです。
PGK欠損はX連鎖劣性遺伝をとり、乳児期から溶血性貧血、中枢神経系異常をみます。ただし、血液異常に乏しく、筋痙攣と繰り返すミオグロビン尿のみをみる筋型もあります。阻血下運動負荷試験では乳酸の上昇はみられません。
LDH−M欠損はわが国で最初に報告された疾患です。運動時の筋痛、筋痙攣を主症状とします。阻血下運動負荷試験では乳酸値の上昇は少ないがピルビン酸値は上昇するといわれています。
☆悪性高熱(malignant hyperthermia)
全身麻酔下で筋が硬直し、高熱を持続、時に心停止を来す疾患です。麻酔薬のハロセン、筋弛緩剤のサクシンが主な原因物質と考えられています。これらの物質に筋小胞体が過敏となり、小胞体から大量のカルシウムが筋細胞内に放出され、筋硬直が持続、筋細胞は壊死に陥ります。
優性遺伝をとるものがあり、それはリアノジン受容体(ryanodine receptor)遺伝子に変異があることが分かっています。セントラルコア病も同じようにリアノジン受容体遺伝子内に変異があり、高率に悪性高熱を起こすので、両者は密接な関係がありそうです。筋ジストロフィーやその他の筋疾患も、一般人よりは麻酔時に悪性高熱を来しやすいと報告されています。筋疾患のある患者さんでは全身麻酔に注意が必要です。麻酔中に悪性高熱となってもダトロレンNa(ダントリウム)の静注が著効し、死亡率は激減しました。
☆悪性症候群(malignant syndrome)
向精神薬を服用の患者さんに、筋硬直、発熱など悪性高熱様の症状をみることがあります。原因は悪性高熱と異なり、中枢神経系の異常によると考えられています。
ミオグロビンはヘモグロビンに似たヘム蛋白で、筋細胞内での酸素運搬の役割を果たします。筋細胞の融解(壊死)で、この蛋白が血中に遊離し、尿から大量に排出される状態をミオグロビン尿症といいます。腎障害を合併することが問題となります。
原因はいろいろあります。糖原病のところで述べた垂井病、McArdle病などのように酵素欠損が明らかなものもあります。また熱射病のような特異環境、薬物中毒(蛇毒、悪性高熱など)があげられます。しかし、ミオグロビン尿症の多くはいろいろ検査しても原因がわからず、特発性ミオグロビン尿症として分類されています。
☆カルニチンパルミチールトランスフェラーゼ欠損(carnitine palmityl transferase (CPT) deficiency)
長鎖脂肪酸はカルニチンと結合して、アシルカルニチンとなり、ミトコンドリア内膜を通過します。アシルカルニチンの通過を助ける酵素がCPTです。CPT−I, IIがあり、酵素欠損はIの方が圧倒的に多いとされています。
長時間の運動、飢餓(糖分の補給不足)が誘因となって、筋力低下、筋痛をみ、その後ミオグロビン尿をみます。筋痙攣やsecond wind(McArdle病には特徴的)はみられません。
血清クレアチンキナーゼ(CK)値は発作時以外は正常です。阻血下運動負荷試験では乳酸値、アンモニアは正常と同じように上昇します。低脂肪、後糖質の頻回の食事、長時間の運動制限を指導します。
☆ホスホグリセロムターゼ、ホスホグリセリン酸キナーゼ、乳酸脱水素酵素Mサブユニット欠損(phosphoglyceromutase (PGM), phosphoglycerate kinase (PGK), lactic dehydrogenase M(LDH-M) subunit deficiencies)
PGM欠損は小児期からの運動時の有痛性の筋痙攣を主症状とします。まだ数例の報告があるのみで、きわめてまれです。
PGK欠損はX連鎖劣性遺伝をとり、乳児期から溶血性貧血、中枢神経系異常をみます。ただし、血液異常に乏しく、筋痙攣と繰り返すミオグロビン尿のみをみる筋型もあります。阻血下運動負荷試験では乳酸の上昇はみられません。
LDH−M欠損はわが国で最初に報告された疾患です。運動時の筋痛、筋痙攣を主症状とします。阻血下運動負荷試験では乳酸値の上昇は少ないがピルビン酸値は上昇するといわれています。
☆悪性高熱(malignant hyperthermia)
全身麻酔下で筋が硬直し、高熱を持続、時に心停止を来す疾患です。麻酔薬のハロセン、筋弛緩剤のサクシンが主な原因物質と考えられています。これらの物質に筋小胞体が過敏となり、小胞体から大量のカルシウムが筋細胞内に放出され、筋硬直が持続、筋細胞は壊死に陥ります。
優性遺伝をとるものがあり、それはリアノジン受容体(ryanodine receptor)遺伝子に変異があることが分かっています。セントラルコア病も同じようにリアノジン受容体遺伝子内に変異があり、高率に悪性高熱を起こすので、両者は密接な関係がありそうです。筋ジストロフィーやその他の筋疾患も、一般人よりは麻酔時に悪性高熱を来しやすいと報告されています。筋疾患のある患者さんでは全身麻酔に注意が必要です。麻酔中に悪性高熱となってもダトロレンNa(ダントリウム)の静注が著効し、死亡率は激減しました。
☆悪性症候群(malignant syndrome)
向精神薬を服用の患者さんに、筋硬直、発熱など悪性高熱様の症状をみることがあります。原因は悪性高熱と異なり、中枢神経系の異常によると考えられています。
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